墓穴は毎日に新たに発見されている

死体が埋められている場所は毎日ように見つかっているという。2006年から2023年までに見つかった墓穴は2863カ所あるそうだ。その中でも、カルテル同士の縄張り争いが激しいタマウリパス州ではこれまで既に400カ所の墓穴が見つかっているそうだ。(3月24日付「ABC」から引用)。

この墓穴にもまた問題がある。そこで見つかった死体が余りに多く、身元確認ができる死体検案認定医が不足しているのである。現時点ですでに5万2000の死体の身元確認ができないままになっているそうだ。

FUNDEJの誕生

このような状況の中から2013年に誕生したのがFUNDEJ(Familias Unidas por Nuestros Desaparecidos)という行方不明者を探す家族組織である。この組織を設立した時は7家族だけであったが、今では400家族の集まりになっている。

この組織を構成する家族の誰かが消息を絶っているということである。それが息子た娘の場合は彼らの子供をそのあと擁護せねばならなくなり、経済的な負担も重荷になっているという。

このような悲しい出来事の前に、今年3月15日、スペインのヒューマン・ライツ国王賞がFUNDEJに授与された。その選考はスペインのオンブスマンとマドリード州のアルカラ大学によるものだ。授与式にはメキシコから出席した母親たちが彼女らのシンボルであるグリーンのスカーフを巻いて授与式に臨んだ。賞金2万5000ユーロ(300万円)はDNAの鑑定の費用に充てるとしている。

麻薬の消費が世界一の米国の隣にメキシコがあるということから、犯罪組織カルテルは今後もメキシコで存続して行くのは間違いない。だから彼らの犠牲者が跡を断つことはないであろう。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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