- 輸入デフレータ
続いて、輸入デフレータについても眺めてみましょう。
図2が輸入デフレータです。
やはり日本は停滞傾向が続いていますが、1980年代後半からするとやや上昇傾向です。
他の主要先進国は基本的に徐々に上昇しています。
スイスは日本よりも上昇傾向が緩い状況のようです。
多少の乖離はあるものの、ドイツと日本は同じくらいの水準で推移しているのが興味深いですね。
1970年に対する2022年の倍率は、日本で2.6倍、ドイツ2.8倍、アメリカ5.0倍、イギリス9.2倍、イタリア21.1倍です。
- 交易条件
続いて、輸出デフレータに対する輸入デフレータの比率である交易条件について眺めてみましょう。
図3が主要先進国の交易条件をまとめたものです。
貿易において、価格面で有利になってきたかどうかがわかります。
1980年代後半からの傾向を見ると、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカは横ばい傾向です。
スイスも横ばい傾向が続き、近年やや低下気味です。
一方で日本と韓国は下落傾向が続いてきたことが読み取れますね。
特に日本は1970年の水準からすると0.4倍となり、長期にわたって交易条件が大きく低下してきたことがわかります。
- 輸出・輸入デフレータと交易条件の特徴
今回は主要先進国の輸出デフレータ、輸入デフレータ、交易条件についてご紹介しました。
日本はどちらも停滞傾向ですが、特に輸出デフレータは徐々に低下していて、交易条件が長期にわたり悪化し続けてきたことが特徴的なようです。
他の主要先進国が横ばいか上昇傾向を続けている事と比べると、特に1990年代後半から2008年のリーマンショック前までにかけて交易条件の低下ぶりが際立っているように見えます。
2021年以降円安傾向が続いていますが、その影響が交易条件にどのように影響していくのか、今後の変化にも注目していきたいです。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2024年5月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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