岸本杉並区長といえば、あまりに軽率かつ突飛な言動から、杉並区政を混乱に陥れていることで有名だが、そもそも松下前武蔵野市長もLIN-Netのメンバーだったのであり、「公」より「個」を最優先する行動様式は似通っている。ゆえに、行政運営そっちのけで選挙にかまけもする。このことは、わが保坂区長も人後に落ちない。

私ひえしまは世田谷区議会で、LIN-Netの活動と世田谷区政の関係性を保坂区長に質したが、「区長でなく、政治家としての活動なので答弁を差し控える」とのことだった。私にはかつて一時期席捲したものの、急速に住民の支持を失った“革新自治体”の拡大を企図しているように見えるのだが、この点も区長は答えなかった。

いずれにせよ、保坂区長の区政運営を見ていても、「国の言うことにはすんなり聞かない」「国に盾突く」というスタンスを取ることはいつものことで、それを貫徹するならまだしも、結局は散々騒いだ挙句、国の方針に従うのだから、単なる税金と時間のムダである。LIN-Netメンバーの首長に共通するパフォーマンス優先のやり口が、どうやら有権者に見透かされていて、選挙結果に表れた気がする。

国のおかしなところは指摘する必要はあるが、むやみに抵抗するというのは、子どもの振る舞いにしか見えない。いま、区民の生活は厳しさを増している。国や都と協力して、多くの人々の利益に資する施策を着実に進めることが、求められている政治家の仕事であるはずだ。

保坂展人世田谷区長 NHKより

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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