年明けからいよいよ新NISAがスタートします。これをお読みの方もそちらに資金を移される方は多いのでしょう。カナダでも似たような制度はあります。TFSAと称するもので2009年に始まっています。私もそちらを利用しています。新NISAに期待半分、怖さ半分の方も多いと思いますので私の思うところを記してみたいと思います。

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カナダの場合、枠が小さくて基本は年5000㌦(50万円)でそれにインフレ調整枠がついているため、2024年は7000㌦になります。日本は成長投資枠が年間240万円、積み立て投資枠が120万円の合計360万円とカナダの7倍もあり、ある意味、大きく資産形成をすることが可能になります。

ただ、現実問題として年間に360万円拠出できる現役世代はごくわずかで、むしろ、リタイア層で現金同等物がごっそりある人が枠いっぱいまで資金を毎年移していくことで節税効果をもたらすことになるのでしょう。ただこれもいままで株式や投資信託を買っていた人の話でそれにそもそも興味がない人にはほとんど関係のない話です。

カナダの場合、年金の受給額が低いため、多くの人は公的年金とは別に私的に年金の積み立てをします。それを老齢年金(RRSP)といい、この口座に入れたお金は原則、65歳以上になると引き出せますが、引き出す時にはその年の年収に合算され、課税対象となります。つまり、老齢年金は節税ではなく、税支払いの先送り効果ということになります。

私は既に今後10年間の個人所得の税務対策を決めていて、その一環で年間2万㌦(200万円)ずつ、老齢年金に資金を移すと共にTFSA(非課税貯蓄)に許容限度額を移しています。特に老齢年金に移すと全額が当該年の税額控除対象になります。私のように個人会社の場合、報酬の一部は配当金でもらうため、源泉税がなく、納税申告時に一気に支払い請求が来ます。(翌年以降は年4回、分割前払い納税になります。)それを防ぐために税額控除が出来る老齢年金は助かるわけです。

このポイントはあらゆる仕組みをうまく活用し、長期に渡る資産形成と税務対策を行うことが重要だということです。「新NISAが導入されるけど何を買う?」という前に自分が支払っている税金をどうやったら節税できるか、あるいは合法的に繰り延べられるか、という戦略を意識することが重要です。そうは言っても日本のサラリーマンの方の場合、源泉徴収で確定申告もない方が大半なので自分の経験も含め、税金のことを考えたことは全くないでしょう。今、カナダで全員確定申告をさせられているからこそ、税に対する意識が変わったのです。

テクニック論としては私の場合、株式の通常口座で年間で利益が出た銘柄と損をした銘柄をこの時期までに売却します。すると損得が相殺され、株式売却益課税は減額されます。日本でも同じですね。さらにその売却資金を老齢年金とTFSAに動かすという技を使います。(問題はもう損をしている保有株がなくなってしまったのですが。)