自己分析も時間のムダ

大学の就職部では、講師として招いて、学生向けの自己分析講座を開設しています。自己分析とは、過去の経験や出来事から価値観などを整理し、志向タイプをはっきりさせて、自分の強みや弱みを明確にしながら、自分自身の軸や志向を発見するものです。

初めての人には新鮮に映るでしょう。しかし、学生が自己分析に力を注いでも意味がありません。それどころか、「自己分析で見つけた強み」という思い込みは誇大妄想になりかねません。誰もが実績として認めて数値化できるようなものでない限り、他者と一線を画するほどのオリジナリティーにあふれていることは、まずないからです。

軸を持たずに自分のやりたいことや思考を目まぐるしく変化させるのは、環境に合わせられる柔軟な思考力を持っているということです。就活の限られた大事な時間を自己分析に費やすよりも、他にやるべき大切なことに費やす方が賢明だということです。

就活を理解してどう行動する

いまは、ネガティブな情報を隠すことが難しくなっています。「厳選採用を演じる企業」と「就活を演じる学生」の矛盾は双方にとって、機会損失をもたらすことになります。結果的に、「学歴フィルター」はなくなりません。「新卒採用」もなくならないでしょう。

以前、学歴不問を打ち出すオープンエントリーがはやりました。しかし、大学名を書かなくても、9割方の大学名を特定することが可能でした。それらの業務を受託していた企業も存在しました。つまり、会社説明会を訪問した時点で、大学名はほぼ特定されていたのです。

就活は戦略的に動かなければ効果はありません。あなたはどのように動きますか?

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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