親の期待と子供の成長

遊びを制限することもよくない。勉強嫌いの子供の親に共通することは「子供の遊びを制限し過ぎていること」だと藤野さんは言う。中学受験や高校受験を控えた学年の親によく見られる傾向である。

「大事な受験シーズンですから、遊びを制限して子供を勉強に集中させたい気持ちはわかります。親として当たり前の行動かもしれません。しかし、自分から勉強する子供を育てるには、必要不可欠なことがあります。それは、『何かひとつ、好きなことに打ち込んでいること』です」(藤野さん)

「小学生ならば趣味やゲーム、習い事、中学生であれば部活など、何かひとつでも自分が好きなことに打ち込んでいる子供は、心のエンジンがちゃんと育っています。心のエンジンとは、いざというとき、力を発揮できる力。心のエンジンが育っている子供は、好きではない勉強もがんばることができます」(同)

実際に好きなことに打ち込んでいる子供は成績が上がることが多い。そのような子供は、心のエンジンが育っていると考えられるのである。

一瞬で見分ける方法

子供に心のエンジンが育っているかどうかを、見分ける方法があると藤野さんは解説する。

それは子供の目を見ることである。自分が好きなことに打ち込んでいて、心のエンジンが育っている子供は、目に力強さがある。逆に、心のエンジンが育っていない子供は目に元気がない。子供の目は、親の子育ての通信簿である。

先行きが見えない今だからこそ考えてみたい。本書を読むことで、親が知っておくべき子供の成績を上げるヒントがわかるかもしれない。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?