学級崩壊の問題
学級崩壊への対応も教員の休職者増加を招いているという。
「学級崩壊が増えているという客観的なデータはないですが、現場の感覚としては事実上の学級崩壊状態にあるクラスは増えていると感じます。授業中に静かに席に座っているということができない子どもが増えていますが、たまたまクラスのなかに問題行動やイジメを繰り返す生徒が多かったり、落ち着きのない生徒が多かったり、生徒のタイプの幅が広かったり、教員のスキルが未熟だったりと、学級崩壊の原因はさまざまで、かつ一つではなく複合的な要因が重なることで生じます。今ではクラスの生徒たちがグループLINEでつながっていることもあるので、生徒たちがイタズラ的に一致団結して担任の先生を困らせるということもあると聞きます。そうなると教員はお手上げ状態となります。
学級崩壊状態のクラスがあると、その担任に対して他の教員がアドバイスやサポートをして学校全体で解決しようと動くことになりますが、他の教員も自分の業務だけで手いっぱいだったりするので、十分な協力を得られずに心身に不調をきたし休職してしまうこともあります。また、いくら学校全体で解決しようとしても、“こうすれば学級崩壊が止まる”というマニュアルがあるわけではなく、原因がよく分からないということもあります。担任教員は裁判官や警察官と違って何か権限を持っているわけではないので、なかなか難しい部分があります。子どもだけではなくて保護者の価値観も多様化しているので、すべての保護者たちからオーソライズを得られて、納得を得られ対処をするというのも現実的ではありません」
「給与が割に合わないとはいえ、民間企業の平均よりは上で、ボーナスも支給され、福利厚生は手厚く、問題を起こさない限りは定年までクビになることはないという点に魅力を感じて、教員を続けている人は少なくありません。ですが、長時間労働が続くとどうしても心身に変調が生じるものですし、教員という職業に明るい将来を描けなくなれば続けるのは難しくなります。今では民間企業の給与水準が上がっており、さらに“ホワイト企業”が増えていると聞くので、教員の志望者が減ったり離職者が増えたりする流れは、もう止められないのではないでしょうか」
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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