2つ目はリスクリワードである。「リスクを取らなければ大きなチャンスは決して得られない」ビジネスマンなら誰しも頭ではわかっているこの世の真理である。とはいえ、でかすぎるリスクを取って再起不能で退場するのは得策ではない。重要なのはリスクリワードの良い局面で思い切った挑戦をすること、つまりは環境認識力ではないだろうか。
40年勤め上げてまとまった退職金を元手に蕎麦屋を開業して失敗、という話があるがこれはリスクを過小評価した結果である。一方で株式の暴落局面で「2番底、3番底があるぞ」と騒がれている時に思い切って投資をするのはそれほど悪い選択ではないだろう。仮にさらなる暴落があっても、すでに大きな暴落があったなら下落はかなりの程度、限定的といえるしそうなれば回復を待てばいい。逆に誰しも買い向かう最高値を更新し続ける局面からオール・インする方が遥かに恐ろしい。正しいリスク評価をした上での失敗は報われる可能性は高いだろう。
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いい失敗にも関わらず、うまくいかずに経営資源を消費したことに怒る人は考えを改めるべきだろう。リスク評価と仮説を持って取り組んだ新規の試みはたとえうまくいかなくてもそれはいい失敗である。よしんば叩かれるのを恐れて何もしなければ、今度はリスクを取らないリスクに晒されてしまう。個人的には失敗した人を集団で嬉々として叩くメンタリティを改善しなければ、良い失敗をすることを恐れて社会全体がジリ貧になってしまうのではないかという懸念がある。もっといい失敗に対して寛容な社会作りが望ましいと考えるのだがどうだろうか。
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