Q. 薪も燃やして植林しないと、化石燃料と同じですね?

はい、その通りです。化石燃料は、地球の地下に長期間にわたって蓄積された炭素を含んでいます。これらの燃料を燃やすと、地下に閉じ込められていた炭素がCO2として大気中に放出されます。

薪は、成長過程でCO2を吸収し、炭素を蓄えていますが、伐採後に植林を行わない場合、薪の燃焼によって大気中のCO2濃度が増加します。これは化石燃料の燃焼と同様に、温室効果ガスの増加に寄与することになります。

Q. EUはバイオマスを再エネから除外するんですか?

除外するわけではありません。欧州議会で決まった再生可能エネルギー指令(RED Ⅲ)では、木質バイオマスを再生可能エネルギー源として維持することが決定されましたが、これにはいくつかの条件が含まれています。

森林から採取された原木への補助金はなくなりますが、木材の残留物や廃材から作られるペレットには引き続き補助金が提供されます。 バイオマスのために収穫される森林木材の量は、2017年から2022年の平均収穫量に制限され、今後は段階的に削減されます。

EU議会の資料

EUの再エネ比率は世界最高ですが、その58.9%はバイオマスで、その70.3%は木材ですから、木質ペレットが再エネから除外されると、再エネ比率が大幅に下がって「2050年カーボンニュートラル」が実現できなくなります。

しかしバイオマスを会計上どうカウントしても、木質ペレットを燃やしたらCO₂が増えることに変わりはありません。環境NGOはこれを「木材を大量に燃やしている北欧諸国のグリーンウォッシュ(環境保護しているように見せる偽善)だ」と批判していますが、日本の自然エネルギー財団も環境省も沈黙しています。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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