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年末になるといつも宝くじのことを思い出します。有楽町のチャンスセンターには寒い中たくさんの人が行列を作って、年末ジャンボ宝くじを買っています。

宝くじの期待値は45％ですから、半分以上が持っていかれてしまいます。確率的には全く割に合わない「ぼったくり商品」を、行列してまで手に入れようとする気持ちが、私には全く理解できません。

このように、当たる確率が極めて低いから買わないほうが良いという理由もありますが、もし「万が一当たるとしても」宝くじを買って後悔することが多いのではないかと想像します。

現在、販売中の年末ジャンボは1等賞金が7億円で、前後賞を合わせると総額は最大10億円となります。

もし、棚からぼたもちのように10億円を手に入れたとするとどうなるでしょうか？

まず、勤労意欲が無くなるはずです。毎日、勤務先にスーツを着て仕事に行って上司に叱責されたり、やりたくないパートで時給1500円で働く。そんなことがもう馬鹿らしくてできなくなります。

また、お金の管理がアバウトになります。1円単位の家計簿をつけていた人も、必要なくなってやめてしまうでしょう。

浪費に走る人も出るかもしれません。ギャンブルや遊興費に使ってしまい、時間を持て余しお酒に溺れる人も出てくるでしょう。

そして、人間関係や家族関係も崩壊するかもしれません。お金目当てに近寄ってくる人が増えて、他人が信用できなくなります。

最後には人生の目標が何だったのか見えなくなってしまうかもしれません。一生懸命努力をして、経済的な成功を手に入れようというマインドセットが崩壊してしまうからです。

確かに、宝くじに高額当選すれば経済的には豊かになるかもしれません。しかし、大金を手に入れるプロセスが不自然なものであれば、心のバランスを保つのは簡単ではありません。

そう考えれば、宝くじで巨額の富を手に入れる事は、必ずも幸せなこととは言えないのです。