ゆっくりと棚の範囲内で誘いをかけていると、急にロッドが大きくしなった!ポンピングのような動きがあり、青物ではなさそうだ。
ゆっくり手繰り寄せると、鮮やかなメスの真鯛が顔を見せてくれた。アイシャドウのような美しい色合いが印象的な立派なマダイだった。
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縁起を担ぐマダイ
今回の釣りでは、どうしてもマダイが必要だった。以前、我が子のお食い初めのために釣り上げたことがあり、辛うじて目的を達成できた。その際も「釣りと言えばマダイ、マダイと言えばめでタイ」と、縁起を担ぐ気持ちが強かった。
今回は新築一戸建ての完成祝いで、どうしても自らの手で釣り上げたマダイを確保したいという思いがあった。
青物との格闘
突き刺さるような強いアタリが来た。極太仕掛けとはいえ、ヒラマサ相手に7号ハリスでは心もとない。本命のマダイに警戒されないようにするため、ドラグを緩めて青物の引きに合わせた「押したり引いたり」を繰り返しながら巻き上げる。
瞬間的にチモトからラインが切られることもあるので、青物との格闘は簡単ではない。
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確実に青物を釣り上げる方法
青物を確実に釣るには、時間をかけることが大切だ。短期決戦でドラグをフルに締めて巻き上げる方法もあるが、それではリスクが高い。
筆者が試した方法は、ドラグを緩めに設定しつつ、手でラインを手繰り寄せていくというものだ。これにより、青物が抵抗しにくくなる。
引くときは青物に主導権を譲り、押すときは釣り人が主導権を握る。時間をかけて青物の根負けを誘うことで、ハリス切れを防ぐことができた。
ヒラマサを手中
慎重に時間をかけて手繰り続けた結果、青物がついに根負けした。ゆっくりと海面に現れた魚体に、船長が声を上げる。「ヒラマサだ!」
久しぶりにヒラマサを釣り上げた筆者は、満面の笑みで喜びを噛みしめた。船長が一言「俺にくれ!!」と言ったが、私は「No」と笑いながら答えた。
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