それどころか、バイデン政権ですらイスラエルに厳しく自制を促しているのに、そうした必要も無いと言わんばかりだ。

私が思うに、世界はウクライナ戦争にうんざりしているし、イスラエルには相当に批判的だ。いまこそ、アメリカの日本に対する戦争中の悪行に少し反省を求めるチャンスでないかと思うのである。

アメリカは、ウクライナへの軍事侵攻とかハマスのテロとかは、けしからんから、ロシアやハマスはとことん殲滅されても仕方ないという。だが、これは、満州事変や真珠湾攻撃がけしからんから、日本に無理難題を要求したり、原爆を落としたり、ソ連の参戦を促したり、占領して憲法まで変えさせたのと重なるところがある。

そのあたりを、プレジデント・オンラインの記事にまとめたので、詳しくはそちらを読んで頂ければと思う。

逆に韓国は、尹錫悦大統領が対日改善に取り組んでいるのに、日本の保守派は応援しない。それどころか、松川るい参院議員のように対韓関係改善に熱心な議員は保守派から批判されて、「エッフェル塔写真」を発端にしたフランス研修問題が彼らに針小棒大に攻撃されて炎上した。

対中国でも、やみくもに敵対しては互いに損をするだけだ。バブル崩壊後の日本経済を、輸出、安い消費財などの輸入による生活防衛、観光客によるインバウンド需要などで支えてきたのは中国との関係だ。

外交は押したり引いたりしながら進めるもので、無条件の追従も敵対も馬鹿げている。日米同盟が外交の主軸であるから、基本的には欧米との共同歩調はやむを得ないが、ウクライナやパレスチナについては積極的に平和のために仲介の労もとるべきだろう。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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