ロジカルハラスメントの略語「ロジハラ」という言葉を耳にすることが増えました。筆者は、昨今のロジハラブームに違和感を覚えることがあります。

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「ロジハラ」のなにが違和感?

ロジハラとはロジカルハラスメントの略語で、正論で相手を追い詰めることを指します。上司がミスをした部下に対して、「なんでミスしたの?説明して!」と迫ることはロジハラにあたるというわけです。上司が部下の顔色を見なければいけない「ヤバイ時代」になりました。

上司と部下は、仕事の責任も範囲も異なります。職責や役務は、上司ではなく会社が決定するものです。職責が上位であれば指導が強くなることは当然ですが、これを問題視されては、上司は職務を全うできません。

部下にミスの責任があったとしても、正論を言って、本音で指導することができなくなるからです。部下が「上司に強い指導を受けてショックを受けました。これロジハラです」と主張した時点で、部下が上司を追い詰めていることになってしまうのです。

名づけるなら、「逆ハラ」(部下が上司を追い詰める)ということでしょうか。強い指導を受けたからといって、なんでもハラスメントにすることはいかがなものか。これでは、円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまいます。バカバカしいと言わざるを得ません。

セクハラやパワハラは別です。例えば、「セクハラ」は職場において労働者の意に反する性的な言動が行われ、拒否すると不利益を受けることを指します。「パワハラ」は同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えることです。

ロジハラはパワハラに近いニュアンスですが、「セクハラ」「パワハラ」とは異質なものだと考えます。筆者も会社に勤務しているとき、上司にミスをとがめられたことがあります。また、部下をかなり強く叱ったこともあります。これもロジハラなのでしょうか(苦笑)