ロジカルハラスメントの略語「ロジハラ」という言葉を耳にすることが増えました。筆者は、昨今のロジハラブームに違和感を覚えています。
言葉にはステキな秘密が詰まっている「ロジハラ」という言葉を耳にすることが増えました。正論で相手を追い詰めることを指します。上司がミスをした部下に対して、「なんでミスしたの? ちゃんと説明して!」と迫ることはロジハラにあたるというわけです。上司が部下の顔色を見なければいけない「大変な時代」になりました。
正論をぶつけて優位に立とうとすることが「ロジハラ」だと言われていますが、上司と部下は、仕事の責任も範囲も異なります。職責や役務は、上司ではなく会社が決定するものです。職責が上位であれば指導が強くなることは当然ですが、これを問題視されては、上司は職務を全うできません。
部下に責任があったとしても、正論を言って、本音で指導することができなくなるからです。部下が「上司に強い指導を受けてショックを受けました。これロジハラです」と主張した時点で、部下が上司を追い詰めていることになってしまうのです。名づけるなら、「逆ハラ」(部下が上司を追い詰める)ということでしょうか。
これでは、円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまいます。本当にバカバカしいと言わざるを得ません。次に、正論を振りかざす理由について考えてみましょう。