卵加工品の長所
卵そのものではなく加工品を使用することに、健康への影響を懸念する声もみられるが、西島氏はいう。
「いずれも安全性には問題ありません」
食品メーカー社員はいう。
「食品添加物は国が安全性を確認して法律で使用してよいと認めたものなので、危険どころかむしろ安全といえます。加工食品も原材料名がきちんと表示されている食品であれば、メーカーが安全性を確認しているから使用していると考えてよいです。添加物を使用していないことを強調する食品もありますが、たとえば防腐剤が使用されていない場合、一定時間、冷蔵庫や冷蔵ケースの外に置かれたままの状態が続くと目や鼻で知覚できない腐敗が進み、食中毒のリスクが生じます。子どもや高齢者は食中毒で死亡するリスクもあります。食品添加物を使用するということは、そうしたリスクを低減する目的もあります」
小売チェーン関係者はいう。
「昨年に鳥インフルエンザの流行で全国的に卵が不足して品切れや価格高騰が生じましたが、卵加工品には供給が安定しているという長所があります。たとえば昨年の卵不足の際には卵を使うマクドナルドの『てりたまバーガー』で販売停止が生じましたが、卵加工品を使うモスバーガーの『とろったまチーズテリヤキバーガー』ではそのような現象は起きませんでした。
どのような食材を使用するのかというのは、各チェーンの“こだわり”やポリシー、原材料調達コストにもかかわってきますし、商品のレシピとして加工品を使用したほうが美味しくなることもあるでしょうし、加工品を使うことで価格低減につながればお客さんにとってもメリットがあるということになります。なので、卵と加工品のどちらを使うほうが良いのかというのは、一概にはいえないでしょう」
(文=Business Journal編集部、西島基弘/実践女子大学名誉教授)
提供元・Business Journal
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