「新聞に載ったぐらいで喜んで、あいつバカじゃないの」。
これは、著者の堀さんが、SNSに書かれた悪口です。それを見たとき、熱いお湯に浸かっていたにもかかわらず、急に寒くなり血の気が引くのを感じたそうです。
なぜ人は悪口をやめられないのでしょうか。
「悪口を言われても気にしない人の考え方」(堀もとこ著)あさ出版
SNSに書き込まれた悪口とはこの悪口を書いたのは、堀さんの知人でした。悪口を誰かに言うことはあっても、まさかSNSに書くとは想像もしていなかったようです。
「新聞に掲載された内容は、ボランティア活動のこと。それを誇らしく思っていたので、『○○新聞に掲載していただきました』と、自分のSNSに投稿していました。それを新聞に載ったぐらいで喜んで、あいつバカじゃないのと書かれてしまったのです。『載ったぐらいで』という言葉を見て、少し恥ずかしさも感じました」(堀さん)
「あまりにもショックだったので、私は別の友達に相談しました。すると友達は、私に共感してくれつつも、こう言ったのです。『そんなのいちいち見るからダメなのよ。 もうその人のSNSは見ちゃダメ』。言われてしまえばその通りです。その知人のSNSを見さえしなければ、私はわざわざ傷つくこともなかったのです。その場でそっと、フォローを外しました」(同)
これほどまでにSNSが私たちの生活の一部になったいま、見たいもの、知りたい情報だけを目にするのは不可能です。「閲覧注意」と前置きしてくれる親切な投稿ばかりではないように、「あなたの悪口が書いてあるから読まないでね」なんて前置きする投稿もありません。