令和のデジタルデバイド

1996年に米国で生まれた「デジタルデバイド」というワードがある。それからもう30年近くが経過しようとしているが、我が国では少なくとも社会的なデバイドはあまり見られない。技術不足による置いてけぼりを防止するため、特に行政などではFAXや人力ですべての人に対応する努力をしている。未だにフロッピーディスクでのデータ受け渡しがある役所があるという話に先日仰天をしたのだが、これはITが苦手な老齢職員に周囲が合わせているのではないだろうか。

最近ではやたらとDXが叫ばれたり、マイナンバーカードと保険証の統合が話題になっている。これらはデータ処理の非効率化の是正に由来している。いつまでも旧態依然とした習慣から変わろうとしない人に、周囲が合わせ続ける体制に限界が来ているのではないだろうか・

ビジネスでは令和版デジタルデバイドが起きつつある。恒久的円安圧力と少子高齢化対応に海外取引で外貨獲得を増やす動きもあり、そうした人たちは先端テクノロジーを有効活用してビジネスを効率化させている。AIを上手に活用して、一人で10馬力の仕事をする人もいる。今後、こうした先端テクノロジーを活用できる人と、レガシーにしがみつく人との間で取り返しようがない大きな差になる。日本国内で動きは緩慢でも、インターネット空間は世界に繋がっており、ビジネス取引もシームレスだ。グローバルビジネスマンのスタンダードは常に技術の先端にある。目指すべきは上流側であるのは言うまでもない。

えらそうに講釈をする筆者も今後、「置いていかれる側」になる可能性は十分ある。そうならないために、意識的に時代の先端テクノロジーに常に触れ続ける習慣を持つようにしている。置いてけぼりを出さない弱者に配慮し過ぎな社会のサステナビリティは永遠ではないだろう。

 

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