■「買い物でこれを使うとは…!」
福沢の肖像画が描かれた表面の右下と左上には、アルファベットと数字で構成された「記番号」と呼ばれる番号が表示されている。
「日本銀行」公式サイトでは、こちらの番号について「現在発行されている銀行券の記番号は、6桁のアラビア数字をはさんで、アルファベットが頭に1ないし2文字、末尾に1文字組み合わされ、『A123456B』や『CD777777E』というように表されます」と説明。
ただし、I(アイ)とO(オー)は数字の1、0と間違えやすいため、アルファベットはこれらを除いた24文字を使用しているそうだ。なお、数字は「000001」から「900000」までの90万通りを使用しており、これらの組み合わせによって、記番号は「129億 6千万枚」で1巡する計算となる。
ここで再度、前出の一万円札の記番号を見てみると…そこには「YR777777V」と、非常に縁起の良さそうな番号が並んでいたではないか。
件のツイートは投稿から1日足らずで5,000件近くものRTを記録するほど話題となり、他のツイッターユーザーからは「通常の買い物でこれを使う人がいるとは…!」「今まで意識したことなかったけど、確かにすごい!」「最後がVっていうところも、縁起が良さそう」など、驚きと称賛の入り混じった声が多数寄せられていた。
果たしてこちらの一万円札には、どれほどの価値があるのだろうか…?
■鑑定結果に思わず驚き
今回はジュエリーや貴金属、 ブランド品、ブランド時計の買取・販売をメインに行なうショップ「エブリデイゴールドラッシュ」を運営し、特に宝石関連に造詣の深い「株式会社東洋」に、話題の一万円札を確認してもらうことに。
まずは記番号の「価値基準」について確認したところ、同社担当者からは「少し難しい部分ではございますが、『希少性』と『人気の度合い』で決まります」との回答が。
今回のような「ゾロ目」に関しては、小さい数字の方が珍しく、高値で取引される傾向にあるという。これは例えば「1のゾロ目」と「8のゾロ目」の印字された紙幣を比較した場合、前者の方が先に製造されたもので「より古い」という付加価値が備わるのだ。
またゾロ目も「揃っていれば何でも良い」というワケでなく、「444444」のようにあまり縁起の良くない数字の場合、他のゾロ目と比べて値は落ちるようだ。
担当者はさらに、「その他ですと、最初の番号000001や、最後の数900000などの他、1000000等のキリの良い番号、最初と最後のアルファベットが同じ番号のほか、今はめったにありませんがエラー銭などが高額になります」とも補足しており、「コレクション」としての紙幣の奥深さに気付かされた思いである…。
そうした条件を踏まえ、エブリデイゴールドラッシュは「お写真を拝見したところ、約3〜4万円ほどの価値になるかと思います」と、ツイートの紙幣を鑑定してくれたのだった。まさか「実質3倍以上」もの価値がある一万円札だったとは…。