3. オクタヴィウス号:13年間漂流した船、凍りついた船員たち

(画像=イメージ画像 Created with DALL·E、『TOCANA』より 引用)
1761年、オクタヴィウス号というイギリス船は、中国の貨物を満載してロンドンに向けて出航した。船長は中国から北上し、北極海航路を通って帰国するという、当時としては無謀な航路を選んだ。直線距離では最短ルートだが、1761年後半には、北極海航路を航行した船は一艘もなかったのだ。
オクタヴィウス号は北へ向かった後、すぐに消息を絶った。その後13年間、誰もオクタヴィウス号の行方を知らず、何が起こったのか全く分からなかった。
1775年初頭、ヘラルド号という捕鯨船が、グリーンランド沖の氷海でオクタヴィウス号を発見した。ヘラルド号の乗組員は、オクタヴィウス号とその所属を知ると、すぐに船に近づき、何が起こったのかを調べようと乗り込んだ。
そこで彼らが目にした光景は、あまりにも恐ろしいものだった。オクタヴィウス号の乗組員は全員死亡しており、船倉の下で凍りついていたのだ。まるで映画のワンシーンのように、船長は机に向かって座ったまま凍りついており、1762年初頭に書かれた航海日誌に書き込みをしている最中に息絶えたようだった。
ヘラルド号の乗組員たちは、この恐ろしい光景に怯え、急いで船を降りて逃げ出した。彼らは幽霊船に取り憑いているかもしれない霊を恐れ、二度とオクタヴィウス号に近づくことはなかったという。