柏レイソルは12月11日、井原正巳氏の後任監督としてリカルド・ロドリゲス氏を招へいすると公式発表。徳島ヴォルティス所属MF渡井理己を獲得する可能性が取りざたされるなか、かつて徳島・浦和レッズを率いていた同氏の中国クラブ退団・Jリーグ再挑戦に、中国方面から否定的な声が挙がっている。
徳島時代の2020シーズンにJ2優勝・J1昇格を果たし、浦和時代の2021シーズンには天皇杯のタイトルを獲得したリカルド氏。2022シーズン限りで浦和の監督を退任して以降はしばらくフリーだったが、2024年1月に高畠勉氏の後任として中国1部・武漢三鎮の監督に就任。財政難や相次ぐ主力選手の退団など、クラブがピッチ内外で問題を抱えるなか、リーグ戦で8勝7分15敗と1部残留に導いた。
中国メディア『捜狐』は12月16日、リカルド氏の武漢監督退任、柏行きについて「彼は野心家である。武漢での残留争いを嫌ったので、柏からのオファーに応じた」と批判。「リカルド監督は多くの控え選手を活用して、残留へと導いた」「リーグ戦中断期間に他クラブから高額オファーが届いたものの、怪我人が多い中で武漢を去ることはできないと感じていた」と同氏の手腕や2024シーズン途中における決断は評価したものの、1シーズンでの退団に不満をあらわにしている。
高畠元監督のもと、AFCチャンピオンズリーグの舞台で戦っていた武漢だが、中国サッカー協会(CFA)が12月2日に発表した債務返済完了クラブのリストには含まれておらず。CFAは2025シーズンのリーグへ参加するクラブに対して債務返済を義務付けているが、一部報道によると財政難がクラブ運営に支障をきたしている可能性もあるという。
悪条件の中、武漢でも確かな手腕を発揮したリカルド氏。クラブを取り巻く事情を踏まえて中国を離れたと考えられるだけに、柏としては日本代表FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオらの引き留め等により、戦力を充実させたいところだ。