アビスパ福岡は12月13日、町田ゼルビアのヘッドコーチとして黒田剛監督を支えていた金明輝氏の招へいを公式発表。柳田伸明強化部長が同氏を迎え入れた理由を説明したほか、川森敬史代表取締役会長がサガン鳥栖監督時代のパワーハラスメント(パワハラ)行為に言及した。
金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科されている。
それだけに、2022年11月に町田のコーチとして現場復帰した時と同じく、今回の福岡監督就任を巡っても批判が噴出。強化部等の決断に対する疑問の声も挙がるなか、クラブは16日14時より金新監督の就任会見を実施している。
その中で、柳田強化部長は金氏を招へいした理由を説明。「長谷部茂利前監督が5年間で攻守にアグレッシブなスタイルを築いていただいた。そのスタイルを継続し、さらに進化させることができる指導者」「今までの指導実績を踏まえても、アビスパのスタイルを進化させることができる力がある方だと評価している」「チームが一体となってボールに関わりながら、ゴールを目指すことができる」「選手の力を最大限に引き出すことができる、若い選手を育てながら、チーム全体の底上げに貢献してもらいたい」と、パワハラ行為には言及せず、鳥栖、町田時代の指導実績を評価している。
また川森会長は「クラブとしては過去の過ちは決して容認できるものではありません」と、鳥栖時代のパワハラ行為に触れた上で、「反省して再出発をしようとしている金明輝監督を信じ、チームがさらに進化し、一体感を持って次のステップを目指し、挑戦することについて来季ともに歩んでいくことを決断しました」と、強い覚悟を示した。