住友ゴムは2024年12月4日、タイヤ開発において、実際の路面でのタイヤ騒音をこれまでより精度よく、短期間で予測できるシミュレーション手法を新開発したと発表した。
路面凹凸によるタイヤへの振動入力と路面の吸音特性を考慮することで、特定のタイヤの実測値と予測値の誤差は約1%となり、予測精度が大幅に向上した。これにより今後、現在より静粛性能の高いタイヤ開発が可能になる。また、開発工数削減による納期短縮や試作の削減による省資源を図ることが期待できる。
住友ゴムはこれまでもタイヤの静粛性能を追求してきており、タイヤ内部の空気が共鳴して発生する空洞共鳴音を低減する独自技術の「サイレントコア」の採用や、タイヤと車両の相互の振動によって発生する音の低減に関するシミュレーション技術の開発などを行なってきている。また、走行する車両のタイヤ付近の空力性能を最適化するタイヤ形状の開発で独自のシミュレーション技術を駆使している。
タイヤの騒音低減の背景には、騒音規制の国際基準(UN R51-03 Phase3)が2024年から施行され、さらなる低減が求められている。そして今後、普及が予想されるEVではエンジン音が発生しないため、タイヤから発生する音の寄与率が相対的に高くなる。そのためタイヤの静粛性能の向上が今まで以上に求められているわけだ。
今後は、今回発表されたシミュレーション技術を活用した、より静粛なタイヤの登場が期待される。
提供・AUTO PROVE
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