12月7日付当サイト記事『年末年始の休暇禁止…相模鉄道、残業150時間、1カ月連続勤務でギリギリ運行』において、相模鉄道が深刻な人員不足のために、乗務員が尋常ではないほどの時間外労働を重ねている様子を報じた。それに対して、相模鉄道から現状と改善策についての説明がBusiness Journal編集部へと送られてきた。それによると、予想以上の欠員が生じているのは確かだが、法令違反となる状況ではないこと、乗務員たちに時間外労働は強制しておらず、その結果として一部の乗務員に大きな負荷がかかっていたこと、現在は採用活動を強化していること、などが書かれている。

 相模鉄道の乗務員からBusiness Journal編集部に、同社では数十人規模の欠員が生じており、時間外労働が100時間を超えている乗務員が15人ほど、150時間前後も複数人、もっともひどいケースだと200時間を超える人もいる、との情報が寄せられた。

 一部の乗務員は約1カ月も休みなく働き、「本当に休めない」と嘆いている。会社としても、その状況を把握しており、「全員の協力なくして運行を確保することはできません」と協力を求めつつ、「隙間時間になってしまうかも知れませんが、オンオフをつけ心身の疲労回復に努めて下さい」など、わずかな休息時間でも体調を崩さないようにと声掛けしている。だが、運転士や車掌の欠員は深刻で、乗務可能な人員が毎月のように100時間を超える時間外労働をしなければダイヤを守れない状況が続き、インフルエンザやコロナウイルスの感染が広がれば減便も避けられないほどだという。

 社内の業務LINEでも、「36協定に抵触してしまう方も出てしまっている」「1往復だけでも構いませんのでご協力いただけませんか」「少しだけでも乗務していただけませんか」など追加で乗務できる人を探す言葉が並び、ギリギリのやり繰りで運行している様子が伝わってくる。

 さらに、今年の年末年始についても、「12月24日から1月5日まで年次有給休暇取得希望者は自分で代務者を探すよう指示を出すなど、実質休むなと言われる事態が発生しています」との嘆きも聞かれる。そのような情報について、事実確認及び見解を求めつつ、改善策などを相模鉄道に聞いたところ、以下の通り回答があった。内容の是非については当編集部では判断せず、回答文をそのまま掲載する。

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 弊社では、想定より多くの離職に伴い人員が不足しており、乗務員では現在運転士19人、車掌10人の欠員がございます。

 これを解消するために、現在、採用活動の強化をし2025年3月16日付での不定期入社社員の募集を行っている他、乗務員の育成にも努め、大量の欠員が解消するのは、運転士では2週間程度、車掌では2か月程度を見込んでおります。

 三六協定遵守のためには、時間外労働の平準化により一部の乗務員に過度な負担がかからない策が有効であり、特定の乗務員に時間外労働が集中しないよう配慮しておりますが、時間外労働はあくまで任意であり、強制することはできません。

 そのため、一時的に特定の乗務員に時間外労働が集中するケースが発生することもあります。

 弊社は実働7時間勤務のため、7時間を超える勤務を時間外労働とすると、乗務員の時間外労働は、2024年6月から11月の6か月間に200時間越え1人、150時間前後8人がおりましたことは事実ですが、時間外労働が多い社員には、産業保健スタッフとの面談を通じて心身のフォローを行い、必要に応じて時間外労働の制限を設けるなど、適切な調整を行っております。

 また、年末年始などの休暇についても、自分で代替え人員を探すことを強制することはなく、掲示物については、毎年この時期に慣行として掲出しているものであり、本年は年末年始の休暇も例年に比べ長いことから、あくまで協力のお願いをしております。休暇にあたり、代務者を探してもらうことは必須ではございません。

 社員が自主的に休暇を取得できるよう配慮し、法令違反に当たるような行為は行っておりません。

 弊社は、社員の健康と働きやすい環境を最優先に考えておりますので、今後も欠員の解消や時間外労働の平準化など改善に努めてまいります。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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