Pythonを活用する事例
企業で業務にPythonを活用する事例には、具体的にどのようなものがあるのか。
「たとえば小さな業務効率化の例としては、大量のファイルを作成日付ごとに自動的に振り分けて保管したり、従来は紙やエクセルで情報共有していたものをちょっとしたウェブアプリに置き換えて、誰でもどこからでもすぐに在庫状況を確認できるようにしたりできます。また、本格的な例としては、データ分析や統計解析をしてグラフ作成を行ったり、機械学習まで活用した需要予測なども可能になります」(田中氏)
では、今後はビジネスパーソンであれば誰でもPythonのスキルが必須となってくるのか。
「生成AIの普及が進めばプログラミングでローコード、ノーコードが広がると予想されますし、全員が必ずしもプログラミングを習得しなければならないということにはならないでしょう。また、プログラム言語には用途によって向き不向きがあり、たとえば大規模な基幹系システムでは現在でもJavaが主流ですし、企業の情報システム子会社やSIerではJavaプログラマーへのニーズが高いといえるでしょう」(田中氏)
SIer勤務のプログラマーはいう。
「Pythonやデータサイエンティストなどは今流行なので学ぶ人も多く、大手のオンラインのプログラミングスクールでは数カ月の受講期間で、数十万円の受講料と高額になっており、修了すれば就職や転職に困らず給料もアップしますよといった打ち出し方をしているケースも目立ちますが、スクールを修了しただけでは就職において企業側から大した評価もされないので役に立ちません。また、Javaなどと比べるとPythonの技術者の採用募集というのは、それほど多いというわけではなく、他にもっと就職しやすい言語はあり、『Pythonができる』というだけでは厳しいというのが実情です。複数の分野の知識や実務経験を積むことが重要になってきます。
ただ、AIという領域は将来的にビジネスの世界ではどんどんお金が集まる領域になるのは間違いなく、ビジネスパーソンとしてPythonの基本的な知識くらいは持っていたほうが有利になる可能性は高い。その意味で、すべてのビジネスパーソンが学んでおいて損はないとはいえるでしょう」
(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)
提供元・Business Journal
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