飯ごう炊さんの方法:炊飯編
ついに飯ごうを火にかけます。やり方はいろいろありますが、ここでは初心者でも簡単に炊ける火加減のコツをご紹介します。
4-1:炊きはじめ
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最初は弱火から始めます。いきなり強火で一気に炊き上げるやり方もありますが、芯のないご飯を炊くには弱火から炊き始める方法をおすすめします。弱火で5分ほど加熱した後、火加減を中火にしてさらに5分間熱します。飯ごうの中では水分が熱せられて、徐々に沸騰しはじめます。
4-2:沸騰したら強火で
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続いてコンロを強火にします。しばらくすると飯ごうのふたが小刻みに持ち上がりはじめ、隙間から蒸気が吹き出してきます。そのままではふたが外れてしまいますので、ふたがまくれてしまわない重さの石を上に載せます。そのまま約5分加熱します。
4-3:目・耳・鼻を総動員して
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ここからは自分の目と耳と鼻が頼りです。沸騰しはじめの頃は飯ごうの中からはグラグラと水が煮える音が聞こえています。飯ごうの隙間から出る蒸気は水気が多く、飯ごうの外側を濡らしています。蒸気の匂いは米が炊けるときのいい香りが漂います。やがてグラグラという音が聞こえなくなり、湯気は水気の少ない白煙状になります。やがてかすかに焦げた匂いが鼻をついた時が火を止めるタイミングです。
4-4:蒸らしはしっかりと
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次に大事なのが蒸らしです。火を止めたらすかさず飯ごうをコンロから下ろします。革手袋などをつけ、火傷に注意しましょう。蒸らしのやり方は簡単です。飯ごうを逆さにしてそのまま地面に置きます。上になっている飯ごうの底の部分を木の枝などで叩いて、底にくっついたご飯を落とすようにします。そのまま10分間放置します。この間、決してふたを取ってはいけません。時間になったら飯ごうを元に戻してふたを開けます。中にはふっくらとしたご飯が炊きあがっているはずです。
飯ごうの中ぶたの役割は?
飯ごうの外ぶたの中にある中ぶたにはどんな役割があるのでしょうか?実はこの中ぶたにはいろいろと便利な使い方があります。主な中ぶたの使い方をご紹介します。
中ぶたの使い方1/3:計量カップとして
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おいしいご飯を炊くには、米と水の量をきちんと管理することが不可欠です。計量カップがないときでも、飯ごうの中ぶたを使えばちょうど2合の米が測れます。水は米の1.5倍程度が適当なので、米2合の炊飯であれば水は中ぶたに一杯半を入れましょう。ちなみに外ぶたはちょど3合の米が計れます。
中ぶたの使い方2/3:料理の加熱を行う
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熱伝導の高い飯ごうは、炊飯時に非常に高温になります。この熱エネルギーを料理に利用しない手はありません。加熱したい食材を炊飯の際に中ぶたに入れておくやり方が、簡単でおすすめです。米が炊きあがると同時に、温かい料理も出来上がります。
中ぶたの使い方3/3:食事の際の食器として
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軍隊の行軍を想定して作られた飯ごうは、携行する荷物を減らすために非常にシステマティックにできています。中ぶたは食事の際には大きさ・深さともに皿として最適なサイズになります。外ぶたの方は汁物のお椀のような使い方も可能です。