教育現場、保管に気を配る余裕ない
中学校教師はいう。
「現場の先生たちはとにかく忙しいので、いちいち生徒たちが使う端末の保管状況や充電環境に気を配っている暇はない。休日や長期休暇の間は使っていない施設の空調は入れないため、夏場に蒸し風呂状態のロッカーや充電場所に長時間放置されるといったことは十分起こり得るし、それが端末の故障原因になるのではないかと気にする先生が多いとは思えない。“買った後”のことを考えずに、お役所仕事的に、なんとなく時流や他県の動きをみて『ウチの県もタブレット配布をやっておこう』と安易に考えた結果だろう」
今回の四電工の発表について、ある都道府県職員はいう。
「『なぜ国内で販売実績の乏しい中華製タブレットを買ったのか』という声もみられるが、県の予算が最初から決まっていたので、それしか選択肢がなかったということだろう。四電工としては県の予算が限られたなかで端末の調達を迫られたこともあり、大して利幅は大きくなかっただろうし、すでに故障を受けて3500台を無償貸与しているので、これ以上損を出すわけにはいかない。また、学校側の保管が杜撰だったのが原因なのに、損害賠償まで請求されてはたまったものではない。毅然とした対応に出るのは民間企業としては当然のこと。県の教育委員会がどこまで学校に対して保管方法についてきちんと指示していたのかは微妙なところで、学校側も端末の保管にまで気を使ってはいられないだろうから、県教育委員会の責任が問われるという展開になるのでは。
もっとも、県は今回、1台あたり約4万8000円で購入したことになるが、外資系メーカーでも日本メーカーでも教育機関向けにはかなり安価な価格で端末を提供しているケースも多く、これくらいの金額であればメジャーな大手メーカーでも手を挙げるところはあるはず。県と四電工が機種の選定にあたって入念に検討したり、メーカーときちんと交渉したのかが疑問」
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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