厚生労働省は10日、パートなど短時間労働者の厚生年金加入を制限している「年収106万円の壁」を撤廃する案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会に示し、大筋で了承された。厚生年金保険料の支払い義務が生じた際の手取り減少を緩和するため、企業側の負担割合を増やせる特例制度の対象について、年収156万円(月収13万円)未満とする案も提示した。

 2025年の通常国会に提出する年金制度改革関連法案に盛り込む。

 パートの厚生年金加入を巡っては、勤務先の企業規模を「従業員数51人以上」と定める要件もなくし、週20時間以上働くと厚生年金への加入が義務付けられる。 

 保険料は本来、加入者と企業が折半で負担する。加入要件見直し後も「週20時間の壁」が残り、夫が配偶者特別控除を満額受けられる年収150万円程度までは働き控えをする主婦パートが多いとみて、負担割合に関する特例制度の対象範囲を決めた。企業の負担軽減のため助成金支給なども検討する。労使折半の原則は維持するため、時限措置として26年度中の実施を目指す。 

 厚労省は、子どものいない夫婦が死別した際の遺族厚生年金の見直し案も提示した。受給期間を男女とも原則5年とした上で、配慮が必要な場合は最長65歳まで受け取れるようにする。

 現行制度は夫を亡くした妻は30歳以上なら生涯受給できるが、30歳未満は5年。妻と死別した夫は55歳未満だともらえない。男女差を解消するため、妻が5年の有期給付となる対象年齢を40歳未満に見直した上で、20年の経過措置を設けて男女ともに60歳未満に引き上げる。 

 有期給付の年金額は拡充し、低所得などの場合は最長65歳まで継続給付するが、受給額は前年所得に応じて緩やかに調整する。(了)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?