エネルギー基本計画の主要な目的はエネルギーの安定供給のはずだが、3・11以降は脱炭素化が最優先の目的になったようだ。第7次エネ基の事務局資料にもそういうバイアスがあるので、脱炭素化の費用対効果を明確にしておこう。
「2050年ネットゼロ」のコストは34兆ドルまず「2050年ネットゼロ」には、どの程度のコストがかかるのか。これについてはIEA(国際エネルギー機関)の毎年4.5兆ドル(30年間で135兆ドル)がよく使われる数字だが、今週出たブルームバーグの推計によると、そのコストは25年間で34兆ドル(5300兆円)だという。
上の図の左が通常の採算ベースで投資した場合のコストで181兆ドル、右が2050年ネットゼロ(カーボンニュートラル)を実現する投資のコストで215兆ドル。差額の34兆ドルが、ネットゼロのための(政府補助などによる)投資コストである。