と言うのも、23年度の税収は22年度を更に上回るとの見方が大半を占める。

これは時事通信が伝えた2022年度分の税収の伸びを報じた記事だが、2023年度は更に3〜5兆円の上積みがあるのでは、と予想されている。

世界経済がコロナ禍から抜け出したと言う問題もあるだろうし、為替差益が飛躍的に伸びたと言う側面もあるだろう。

ただ、経済政策の最も重要な点は、賃金と求人倍率の推移だ。

完全失業率、有効求人倍率

コロナ禍の影響で有効求人倍率は一時的に落ち込みを見せているが、これはサービス業全般が求人を抑えたことによる影響だ。ところが、完全失業率はほぼ影響が出ていない。

一般的なマクロ経済学の指標から言えば、完全失業率3.0%以下は完全雇用状態であり、簡単に言うと病気等により働ける状態に無い人、自らの意思で働くことを拒否している人を除く、すべての人がなんらかの仕事に就いていることになる。

その上、有効求人倍率が1.6倍程度あると言うことは、日本は今、労働力が決定的に不足している状態なのだ。

別言すれば、要するに経済は回っているのである。

では、問題は賃金だと言う人もいるだろう。

実は、今年度、大企業の89%、中小企業の84%が賃上げを行っている。

2023年度の「賃上げ」実施、過去最大の84.8% 「賃上げ率」5%超、中小企業が37.0%で大企業を上回る

確かに賃金の伸びがインフレに追いついてないと言う指摘もあるだろう。実質賃金は上がってないじゃないか、と言う指摘だ。

2023年度のインフレ率は為替の影響を受けていると言うのが、正直なところで、2021年から数字的には円安基調とインフレ率の上昇は相関している。

インフレ率が急激に伸びる一方で、2021年から中小を含むほぼ85%程度の企業は2.5%程度の賃上げに踏み切っている。インフレの上振れ分がごく僅かに追いついてないと言うのが実情だ。

今般、岸田政権が補正予算で所得税と住民税分、一人当たり4万円の減税に踏み切った。加えて、所得税と住民税の非課税世帯に対して7万円の追加給付を決めた数字の根拠は、インフレに追いついていない実質賃金の不足分を補う目的がある。

課税世帯については、世帯の人数にもよるが、平均年収の5.0%程度が減税される計算だ。

以後、

・今は時代の転換点

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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