日本は今「三代目」の時代だ。
江戸時代の川柳「唐様で 売り家と書く 三代目」は、初代が築き上げた財産を、没落した三代目が売り払ってしまう様を詠んだものだ。
「唐様」がポイントで、この三代目が趣味人であることを隠喩している。
初代を戦後の高度成長期を支えた世代とし、一世代を30年間とすると、今の日本は、三代目の時代にあたる。
高度成長期から、安定成長期を経て、バブルの発生、崩壊、その後の失われた10年、20年、30年の経過は、初代が築き上げ、二代目が巡行速度に乗せ、三代目が停滞、没落するさまと似通っている。 今、日本で起きていることの多くは、「三代目の時代」ゆえに見える。