12月5日、欧州宇宙機関(ESA)は太陽観測衛星「Proba-3」を打ち上げた。この観測衛星のアイデアはあの“シンプソンズ”で29年前に描かれていたという――。

■人工皆既日食技術を“シンプソンズ”が予言

 911やドナルド・トランプ大統領の就任、新型コロナウイルスのパンデミックなど、歴史上のビッグイベントを予言してきたアメリカのアニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』だが、今回またしてもその予言が的中してしまったようだ。

 欧州宇宙機関(ESA)が先日打ち上げた太陽観測衛星「Proba-3」は『ザ・シンプソンズ』の中で予言されていたのである。

 2機で1組の「Proba-3」は、1機が太陽光を遮って人工的に日食を出現させ、もう1機が人工日食によって検知しやすくなった太陽コロナを詳しく観測することになっている。

 コロナは太陽の大気のいちばん外側の部分で、明るさが太陽表面の100分の1ほどしかないので、強烈な太陽光にかき消されて普段は見えないが、皆既日食の時には太陽のまわりに広がる白く輝くコロナが見えるようになる。「Proba-3」は人工的な皆既日食を形成してコロナの様子をはじめとする詳しい太陽観測を行うミッションを担っている。

 このようなハイテクな人工衛星が“シンプソンズ予言”に暗示されていたとすれはかなり意外な感じもするのだが、アニメで描かれていたのは実は人工衛星ではなく、太陽光遮断という人工日食のアイデアであった。

29年前の『シンプソンズ予言』的中!?太陽観測衛星「Proba-3」と人工皆既日食技術とは…
(画像=画像は「Daily Star」より,『TOCANA』より 引用)

1995年放映のエピソード「Who Shot Mr Burns? Part One(誰がバーンズ氏を撃ったのか? パート1)」では、スプリングフィールド原子力発電所のオーナーであるバーンズ氏がスプリングフィールドの住民に原発の電気をもっと使わせるために、太陽光遮断装置を使って人工的に日食を起こし、日中も街を暗くしたのである。

 バーンズ氏のこのあくどい企ては住民の怒りを買い、未遂に終わったもののバーンズ氏は街中で銃撃の危機に見舞われることになる。

 バーンズ氏の企みは実に腹黒い動機によるものだが、ESAが「Proba-3」を打ち上げたことに商業的な側面はまったくない。純粋に天文学者が太陽を研究するのを支援するために作られたのだ。

 地球上では皆既日食は平均して18カ月に1度しか発生せず、しかも数分間しか続かない。太陽の研究者は数少ない皆既日食のチャンスを逃すまいとこれまでは世界中を旅しなければならなかった。

 今回の「Proba-3」の打ち上げによって、今後は研究者たちはじっくりと腰を据えて太陽とコロナの研究に打ち込めることになる。運用が開始された「Proba-3」からどのような貴重なデータが届けられるのか期待したい。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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