山下良美氏 写真:Getty Images

 明治安田J1リーグ最終節のFC東京vsセレッソ大阪は、12月8日に味の素スタジアムで開催。今季限りで現役引退のFC東京所属FWディエゴ・オリヴェイラに対する両チームの選手、山下良美主審の粋な計らいが反響を呼ぶ一方、同主審に対する一部サポーターからのブーイングが物議を醸している。

 史上初のFIFAワールドカップ女性審判員として、サッカー界の歴史に名を刻んだ山下氏。国際大会での実績が豊富である一方、Jリーグ公式戦におけるレフェリングを巡っては、以前から様々な意見が。11月30日開催のJ1第37節・東京ヴェルディvs川崎フロンターレでは、DF千田海人(東京V)が背後からFW山田新(川崎)を倒したシーンにおけるノーファウル判定、試合終了間際のゴールキック判定を巡り議論が白熱していた。

 FC東京vsC大阪では、試合前から一部のファン・サポーターが山下主審にブーイング。ただ、山下主審のジャッジやレフェリングを巡り、ファン・サポーターから異論が湧くことはほとんどなかった。くわえてディエゴ・オリヴェイラが途中交代でピッチを離れる際、山下主審は同選手と握手を交わして労いの言葉をかけただけに、「ディエゴお疲れ様! セレッソのイレブンと山下主審もありがとうございます」というメッセージも寄せられている。

 試合後、ネット上では山下主審へのブーイングが話題に。「ブーイングは最低だった。リスペクトでもなんでもない。ただの嫌がらせ」「山下主審に大きな不満は無かった。試合開始前のブーイングは百害あって一利なしだから避けたい」といった反対意見が湧き起こっているほか、「今日は山下主審はストレスなかった」とレフェリングを評価する声も。一部のファン・サポーターは「ここまで何度も批判し続けるとか、リスペクト精神の欠如で残念」などと、同主審への批判に一石を投じている。