12月6日、フィリピンサッカー協会(PFF)は、8日に開幕する東南アジア最強決定戦のASEAN三菱電機カップ2024に臨む代表メンバー26人のリストを発表した。出場10か国中9番目という遅い発表だった。
今大会はFIFAデイズ(FIFAインターナショナルマッチカレンダー)に組み込まれていないことから、フィリピン代表にとっては海外でプレーするヘリテイジ型の帰化選手たちを招集しづらい状況となっている。このため、ドイツ1部VfLボーフムのFWゲリット・ホルトマンら欧州組はもちろん、タイ1部ブリーラム・ユナイテッド所属のGKニール・エザリッジ(元カーディフ・シティFC)やDFタビナス・ジェファーソン(元水戸ホーリーホック)、同1部ナコーンラーチャシーマーFCのFWケンシロウ・ダニエルズといった主力が招集できなかった。
そんな中、サプライズ招集されたのが、ブラジル人父とフィリピン人の母を持ち、日本で生まれ育ったGKギマラエス・ニコラス(18歳)だ。同選手は現在、高校サッカーの名門である市立船橋高校のサッカー部でプレーしている。
身長183cmとGKとしては小柄な部類だが、鋭い反射神経を持ち、高校サッカー屈指のゴールキーパーとして知られている。今年はU-17日本高校サッカー選抜メンバーにも選ばれた。2022年にはU-16フィリピン代表に招集され、U-17アジアカップ2023予選で印象的なプレーを見せている。今回は第3~第4GKの立ち位置になるが、未来の守護神候補として経験を積ませたいというのが、監督や協会の狙いだろう。
前述の通り今大会のフィリピン代表は、ベストメンバーとは言い難いが、それでも、タビナス・ジェファーソンの弟であるDFタビナス・ポール・ビスマルク(クロアチア1部ヴコヴァル1991)、MFサンドロ・レイエスFC(ドイツ4部ギュータースロー)、MFパトリック・ライヒェルト(マレーシア1部クアラルンプール・シティ)といった海外組も招集されており、一定の戦力は担保していると見られる。