人工衛星への脅威

 バトルゾーンは太陽極大期よりも危険な可能性がある。第一に、太陽極大期後も太陽フレアは発生し続け、地球は多くの太陽嵐に見舞われる。第二に、ヘール周期帯間の磁気の綱引きでコロナホールが形成される。コロナホールは太陽風の激しい突風を作り出すため危険だ。コロナホールから放出された太陽粒子は、太陽嵐の粒子とともに地球の上層大気に吸収され、磁気圏への衝撃が増強される。

 地球上の人間への脅威は少ないが、人工衛星にとっては危険な期間となる。地磁気活動の増加は上層大気の膨張を引き起こし、軌道上の宇宙船の抵抗が増加、地球に落下する可能性がある。これは現在の太陽極大期ですでに発生している。

 スターリンクなど、記録的な数の衛星が打ち上げられている昨今、衛星故障のリスクは高まっている。地球低軌道上の物体は約1万個と、かつてないほど多い。バトルゾーンの影響は未知数であり、今後の動向が注目される。

文=深森慎太郎

提供元・TOCANA

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