米国にとってスペインはフランコ将軍の政権時から地政学的に重要な拠点にある。だからイラク戦争に連合軍が参加していた時に、スペイン軍をそこから撤退させたサパテロ元首相以外のスペインのどの首相も米国とは良好な関係を維持していた。

ところが、米国政府はサンチェス氏との関係強化に一切関心がないという姿勢だ。というのも、サンチェス氏は最初は極左のポデーモスと連立政権を誕生させ、そのあとポデーモスから分離したスマールという左派政党と政権を担っている。要するに、米国政権にとって共産社会主義者の政権には関心が薄いということなのである。

そのことも影響して、サンチェス首相は米国から離れて、中国へと関係強化に向かっているというわけである。それは逆に米国にとって、さらにスペイン離れを誘うことに繋がるのであろう。