その意味で、佐倉市の「5年を超える場合も最低限に抑える」とする基本方針は、その背景をふまえてのものと理解できます。

しかし、これまで実績ベースでは3年から5年だった同施設の指定期間を、今回から一気に10年にする、ということでした。

佐倉市の基本方針に照らしても、延伸も「最低限に抑えることが必要」な指定期間ですから、一気に10年にするのであれば説得的な説明が求められることは明らかです。

しかし、事前に配布された資料ではそのような説明は一切ありませんでした。

予算年間1億円の問題点

年間の管理費予算が、2020年の仕様で上限6,800万円、今回は年間上限約1億円となっていました。

昨今の物価高騰を考えれば、ある程度のアップは理解できます。

一方で、前回の指定管理の審査があった2020年から2024年までの期間の消費者物価指数の物価上昇率は5.47%ですから、2020年の同施設の管理費上限額が約6,800万円だったことを考えると、単純に計算すれば

6700万円 ×(1+0.0547)= 7,171.96万円

約7,172万円にしかなりません。

いずれにしても、何にどれだけかかるからこの金額になりました、という具体的、説得的な背景がなければ、予算の議決権を与えられている議員としては承知することはできません。

しかし、事前に配布された資料ではそのような金額内訳は一切ありませんでした。

草ぶえの丘は、佐倉市のレクリエーション施設です。その意味で、目黒区の厳しい規定にあるような「長期的に安定したサービス」を求められるものではなく、むしろ市民ニーズに合わせたフレッシュなレクリエーションを提供できるということこそが重要なはずです。

しかし、3月の予算委員会で上程された「10年、年間1億円」の指定管理は、ともに同施設を既得権の塊にしてしまう可能性を秘めた、きわめて危険な仕様と感じました。

次回は、この「謎の多い仕様の大転換」に関する、佐倉市議会での審議についてお話しします。