黒坂岳央です。

複数人でプロジェクトを進めるタイプの仕事をする時に、やってはいけないタブーがある。それはアイデアや代案ではなく、ひたすら反対意見や感想しか言わないことだ。

「それはすごく良い(悪い)と思います」 「そのプランはこういう点で問題があります」

こういったイメージだ。

必死に現状を打破するために頭を捻って一塁の望みをかけたくて意見を出す側には間違いなくイライラされてしまうし、ダメ出しや感想など聞かされても文字通り何の役にも立たない。「ではあなたの意見は?」と尋ねると「それはあなたが考えてください」とすぐ逃げ出す。何の生産性もない。

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反対意見や感想に価値はない

記事や動画につくコメントは問題提起や感想は大いに肯定される。「面白かった。楽しかった」「ここは間違っているのではないか?」、これは何も問題はない。なぜならこうしたコンテンツは作品発表であり、映画や漫画のようにユーザーからレビューされることで、クリエイター側の創作意欲を高めたり、方向性を確認できたり、気づきを与えるからである。

しかし、ビジネスの会議などで問題に直面した際はまったく異なる姿勢で取り組まねばいけない。課題にぶつかった時に求められるのは、突破するためのアイデアのみである。個人の感情を出されても「で?」となるし、反対意見を出されたら「その問題はとっくに認識している。まさしく、それを論じているのだ。反対意見を出すなら代案を」と返されてしまうだろう。

会議など、意見を出すべき局面で「何か言わなければ!」と存在感をPRしたいが代案やアイデアを出せない。とりあえず感想や問題指摘をしようと焦って発言するくらいなら、何も言わずに黙っておいた方が遥かにマシである。相手に自分のビジネスレベルが伝わってしまうためだ。