保険の営業員から提案を受けて生命保険に加入する人は多い。しかし、保険会社の営業マンやファイナンシャルプランナーの提案が、必ずしも相談者のニーズと合致した最適なものとは限らない。
生命保険の営業マンの説明をすべてを真に受けてはならない
生命保険会社は、営業マンの名称を「○○アドバイザー」や「○○コーディネーター」など柔らかい印象のものに変えているが、営業マンであることには変わりない。ノルマや目標がある場合も多く、営業成績にウェイトを置いた、営業マンにとって都合の良いプランを提案されることもある。
営業マンの説明を鵜呑みにして契約すると、不要な保障に対して保険料を払い続けることにもなりかねない。提案されたプランの根拠を尋ね、納得できる説明をしてもらえるか試してみるのもいいだろう。「みんなこのくらいお金を掛けている」「大体このくらいの保障が必要」など、要領を得ない返答が来たら要注意だ。
生命保険営業マンの3つのセールストークに気をつけよう
生命保険の営業マンは、商品を提案する前にニーズ喚起を行うことが多い。ニーズ喚起をすることで顧客が保障の必要性を実感し、営業マンはスムーズに商品提案につなげられる。ところが、不安を煽るようなニーズ喚起が行われることもある。具体的に、どのような言葉に気をつければいいのだろうか。主な3つのセールストークを紹介する。
「がんや大きな病気は心配ですよね」
2人に1人ががんになると言われている昨今、不安を感じない人は少数派だろう。改めて言われると、自分の不安を言い当てられたような気持ちになってしまう。これは、バーナム効果という心理効果を利用した問いかけで、大多数に該当する事柄でも、自分に向けて言われると自分も当てはまるように感じてしまうのだ。
「ご契約者数No.1の商品です」
「顧客満足度ランキングNo.1」や「契約者数No.1」など、生命保険にも様々なランキングがある。No.1と書かれていると、顧客から支持を得ている良い商品のように感じることはないだろうか。このように、No.1という目立ちやすい特徴によって商品も良いように感じる現象をハロー効果という。商品の内容の良し悪しに直接関係がないにもかかわらず、No.1につられて評価が歪む心理効果だ。
「AとBのどちらがいいですか?」
2つのプランを提示されると、ほとんどの人はどちらかを選択して相手に伝えるだろう。どちらかを選ばせる質問は、相手にノーと言わせず話を進める際によく使われる。これは選択話法といい、加入する前提で話が進んでいくため、断りにくくなるので注意が必要だ。
生命保険の営業マンが信頼できるかどうかを見極める2つのポイント
信頼できる生命保険の営業マンとは、どのような人物だろうか。見極めるポイントは以下の2点だ。
高額療養費や年金などの公的制度を踏まえて提案してくれる
生命保険は、公的制度の不足分を補うために加入するのが一般的だ。不足金額を算出せずに作成したプランは、保障が過剰になったり、不足したりしてしまう。医療保険の場合は、高額療養費制度を使うことで不足する医療費を算出してくれているかどうかが、その保障が適正かどうかを判断する材料になる。死亡保険なら、遺族年金額を踏まえて保険金額が設定されているかどうかも確認したい。
検討する時間を設定してくれる
保険の営業マンによっては、提案当日に契約手続きを求めてくることがある。生命保険は長期間にわたり保険料の支払いが続くため、一旦持ち帰って落ち着いて検討するべきだ。「検討した結果を○日にお聞かせください」と切り上げる営業マンは、顧客のことを考えてくれていると言えるだろう。
生命保険は営業トークに乗せられずに自分が納得できるものを
生命保険は営業マンに言われるがまま加入するのではなく、必要な情報提供を受けたうえで自身でもリサーチし、検討することが大切だ。公的制度を活用するとどのくらい不足額が発生するのか、営業マンに聞いてみるのもいいだろう。営業トークに乗せられて不本意な契約をすることを避けるためにも、今回のポイントを参考にしながら生命保険を検討してほしい。
文・MONEY TIMES編集部
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