釣り座に戻り支度にかかると、操舵室の窓から船長が顔を覗かせ、「右舷トモで2尾釣れたよ」と声がかかる。カメラを手にして飛んで行くと、三鷹市から来られた植田和哉さんが1kg超えのナイスサイズを取り込んだところだ。
魚を掲げてくれた植田さんは「2尾とも向こうアワセで掛かるまでじっくり待ったよ」としてやったりの笑顔だった。
超浅場でもヒット
釣り座に戻り、準備を完了して身構えたところ移動の合図が出て船が動き出す。4、5分走ったところでスローダウン。
急いでオケのイワシを網で掬い、目を覆うようにして軽く握り、親バリを口の中から上アゴの硬い部分へ刺し抜き、孫バリを腹ビレの末端に掛けて投入。すると、水深8mの超浅場だ。
間もなく右舷胴の間に座る鈴木好明さん(松戸市)の長竿が見事な放物線を描き、手馴れたフォームで巻き上げに入った。やがて船長が待ち構えるタモへ滑り込ませたのは、こちらも1kg超えの食べごろサイズ。
肉厚サイズヒット
超浅場でもこまめに移動を繰り返す。ここぞと思うポイントを次々と横流しで探り、ポツリポツリながらもヒラメが取り込まれていく。
そんななか「まったくアタリがないよ」とぼやきながらも竿を手にして待ち続けていた娘の竿がついにグィーと引き込まれた。「アタリがあったので、焦らず待ち続けたよ」と得意満面の笑顔で巻き上げにかかる。
「ゆっくり上げるように」と声をかけながらタモを手にして横に立つ。時折グッグィーと強烈な引き込みがあり、良型の期待がかかる。やがて肉厚な納得サイズのヒラメが海面にゆったりと姿を現した。
良型マゴチも登場
娘はあわてることもなく竿を操作し、魚の頭をタモへ向けるとすんなりと滑り込ませた。
ここでホッと肩の力を抜き「ヒラメ釣りって最高、食わせるまでのドキドキ感がたまらない。乗せた時の達成感、力強い引き込みも楽しいね」と微笑む。我が娘ながらも「センスが抜群にいい」と満足してシャッターを切った。