1989年に任天堂から発売された初代ゲームボーイ。1991年の湾岸戦争で多国籍軍の兵士の慰労のために支給されたゲーム機としても有名で、のちに爆撃によって外装が焦げ、基盤が露出するほどの大ダメージを受けた機体が発見されました。
なおかつその機体が黒焦げでもなお動作していたことから、湾岸戦争を生き延びたゲームボーイは「ゲーム機」の歴史の中でも象徴的な一台です。加えて近年のレトロゲームブームの影響で、初代ゲームボーイは再び注目を集めています。
発売当時8,000円(税別)でしたが、2024年現在は端末の状態や改造の有無によっても大きく値段が変わるものの、5,000~30,000円といった価格で国内外で取引されています。
発売から35年経ってもなぜ、ここまで高く「初代ゲームボーイ」は評価されているのでしょうか。
「初代ゲームボーイ」が国内外で大きく高騰している理由
初代ゲームボーイがここまで高騰している要因についてご紹介します。
「数が減ることはあっても増えることがない」
冒頭でも述べた湾岸戦争でも動作しなかった初代ゲームボーイの機体は「湾岸戦争ゲームボーイ」としてニューヨークの任天堂オフィシャルショップで長きに渡って展示されるなど、アイコニックなアイテムとなっています。世界中で高い人気を誇った携帯ゲーム機であり、ファミコンと並び「レトロゲーム」を語る際には欠かせないゲーム機です。
そして初代ゲームボーイは発売年が1989年。2024年現在でも動作し、状態が良い端末は「数が減る」ことはあっても「増えることがない」といえるでしょう。そのため状態の良い端末が発売当時の価格を超えるような、プレミア価格で取引される例は増加傾向にあります。
レトロゲーム人気の高まり
前述の通り、そもそもゲームボーイ自体が海外でも人気のある携帯ゲーム機でした。加えて、近年はレトロゲームが世界的なトレンドに。状態の良いゲーム機本体や未開封品のソフトなどは、コレクターが中心的に買い集める対象に。ゲームボーイはそのトレンドの中心的存在といえます。
円安の加速に伴い、海外のレトロゲームファンが日本を訪れ「自国よりもレトロゲームを安く購入できる日本」で、初代ゲームボーイに代表されるゲーム機を買うというパターンも増えています。海外観光客向けのツアーに秋葉原のレトロゲーム取扱店が組み込まれるパターンもあります。
作曲用の改造ゲームボーイも一部で人気を集める
初代ゲームボーイは「音色」が高く評価される機体でもあり、2024年現在でも音楽制作の現場で使用されるケースがあります。特にゲームボーイ向けの作曲用ソフト「LSDj」は、チップチューンと呼ばれる音楽ジャンルの制作ツールの定番であり、初代ゲームボーイとセットで制作に用いられることもあります。
ちなみにスプラトゥーンの世界で人気のチップチューンバンド「ABXY」のイラストにもゲームボーイが使用機材として描かれています。このことからゲームボーイは、単なる「ゲーム機」の域を超えて扱われていることが分かります。
海外オークションでの取引などを念頭に置いた「投資」
初代ゲームボーイの価格高騰には、投資目的の購入も大きく影響しています。特に海外のオークションサイトでは、未開封や良好な状態の初代ゲームボーイが高額で取引されるケースが増加しています。ゲームソフトも自体も高騰しており、『ポケットモンスター 赤』日本版未開封品が4万5000米ドル(約700万円)で取引されるなど、驚異的な価格上昇が見られます。
レトロゲームの数は減ることはあっても増えることは決してないという特性上、オリジナル版の価値は今後も維持されると予想されています。たとえ新機種で様々な復刻版が登場したとしても、コレクターたちはオリジナルの価値を重視する傾向が強く、この市場動向は当面続くでしょう。また、SNSやゲーム実況での注目により、新たな付加価値が生まれる可能性もあり、投資対象としての魅力は今後も続くと思われます。
※サムネイル画像(Image:Erman Gunes / Shutterstock.com)
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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