1月22日、日本百貨店協会・インバウンド推進委員会は、2020年12月免税売上高・来店動向の速報を発表しました。

12月の訪日外客数は前月比横ばいとなる58,700人で、2020年の訪日外国人観光客は、前年比9割減の411万人となりました。

12月の免税総売上高と購買客数は11か月連続でマイナスとなり、2020年の免税総売上高は前年比8割減となっています。

目次
2020年の免税総売上高は約686.2 億円:前年比80.2%減
12月免税総売上高は約34億4,000万円: 前年比88.6%減も前月比1.2倍に
 化粧品・ハイエンドブランドの人気継続、中国から購入1位が続く
今後の展望:1月以降入国制限進む:中国ソーシャルバイヤーによる売り上げ継続か

2020年の免税総売上高は約686.2 億円:前年比80.2%減

2020年年間(1〜12月)の免税総売上高は約686.2億円で、前年比80.2%減となりました。

内訳は一般物品が414.3億円(前年比77.7%減)、消耗品が271.9 億円(前年比 83%減)で、一般物品と消耗品の比率は、約6:4となっています。

2020年12月の免税総売上高686.2億円、前月1.2倍:免税来店者の上位は「中国本土」「台湾」「香港」【日本百貨店協会】
(▲2020年免税総売上高の推移:訪日ラボ作成、画像=訪日ラボより引用)
2020年12月の免税総売上高686.2億円、前月1.2倍:免税来店者の上位は「中国本土」「台湾」「香港」【日本百貨店協会】
(▲2020年免税購買客数の推移:訪日ラボ作成、画像=訪日ラボより引用)

12月免税総売上高は約34億4,000万円: 前年比88.6%減も前月比1.2倍に

020年12月の免税総売上高は、約34億4,000万円で、前年同月比 -88.6%となりました。

購買客数は同97.8%減となる約9,000人で、売上・客数ともに11か月連続でマイナスとなりました。

11月(売上高約27億9,000万円、客数約7,000人)に比べると微増したものの、一人あたり購入単価は約362,000 円と、11月の約380,000円よりも減少しています。

化粧品・ハイエンドブランドの人気継続、中国から購入1位が続く

2020年12月の人気商品群は、上位5商品が「化粧品」「ハイエンドブランド」「婦人服飾雑貨」「食料品」「婦人服・洋品/子供服・洋品」の順となりました。

免税手続きカウンターの来店国別上位7か国は、「中国本土」「台湾」「香港」「韓国」「タイ」「シンガポール」「マレーシア」の順となっています。

今後の展望:1月以降入国制限進む:中国ソーシャルバイヤーによる売り上げ継続か

12月下旬までは入国制限が緩和されていたものの、12月26日に新たに水際対策措置が発表され、12月28日から1月末まで、すべての国・地域からの新規入国が一時停止となりました。

1月13日からはビジネストラックとレジデンストラックも中止となり、1月は訪日外国人の数が落ち込むことが予想されます。

一方で、免税の売り上げについては新型コロナウイルスの感染拡大以降、一人あたりの購入額が増加傾向にあり、2020年11月には前年同月比約500%、2020年12月は430%と、4~5倍の売り上げとなっています。

背景に中国のソーシャルバイヤーの活発化があるとみられ、このような日本在住の個人バイヤーによる免税の売り上げの変化にも注目する必要がありそうです。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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