世界的な原材料費の高騰といった背景から、近年ではモノの値段がじりじりと上昇しつづけています。自動車市場においても、部品代の高騰や、安全面・環境面での規制対応といった理由から、車の価格が年々上昇している状況です。

車の購入はそう頻繁にするものではありませんが、1回の額が大きいだけに、家計に与えるダメージも相当なものでしょう。実際のところ、現在車の購入を考えている人たちは、この状況にどう対処しているのでしょうか。

現在「久々に車の買い替えを考えている」あるいは「最近車を買い替えた」というオーナーに、率直な思いを聞きました。

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「ファミリーカーが400万円」は残酷すぎる…

「ファミリーカーが400万円」は残酷すぎる…

「軽で250万円?ならコンパクト…え?300万?」買い替えで悲鳴!車が高すぎる問題…どう思う?
(画像=©Yusei/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

まず話を聞かせてくれたのは、40代の男性会社員です。子どもが2人いるため以前からミニバンに乗っており、買い替え先の車種をどうするかを迷っているといいます。

「12年ほど前にステップワゴンを買って、そのときはコミコミ300万円ほどで上級モデルのスパーダにできたんですよね。

それで、そろそろ自動車税も13年目で高くなるし、買い替えようとしているんですけど、今はスパーダのガソリンモデルでも色々含めると400万円近くなり、ちょっと難しいかなって。

ベーシックモデルのエアーでも350万円くらいはしますし、他社の同クラスの車種も似たような価格設定で、どうしようか迷っているところです。まぁ、以前と違って子どもも大きくなっていますから、車のサイズを小さくするか……。

ただフリードやシエンタのガソリンモデルでも、それなりに装備をつけると300万円くらいにはなるので、ちょっと悔しい感じがしますね。いっそ3列を諦めて、コンパクトSUVとかにしようかなとも考えています」(40代男性・サービス業)

10年前のカタログと比べてみると、当時から100万円ほど値上がりしている車種は決して珍しくありません。ステップワゴンをはじめとするミドルサイズのミニバンは、当時は300万円以内に収まるケースが多かったと考えられますが、現在では400万円近くなることも多くなっています。

ハイブリッドモデルの場合には500万円に迫るケースもあり、子育て世代には厳しい状況だといえそうです。

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「10年前と同じ値段じゃ100馬力も落ちる…」

「10年前と同じ値段じゃ100馬力も落ちる…」

「軽で250万円?ならコンパクト…え?300万?」買い替えで悲鳴!車が高すぎる問題…どう思う?
(画像=©JD8/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

価格高騰の波はあらゆる車種に影響を及ぼしており、趣味性の高い車もその例外ではありません。スバルを愛好しているという50代の男性会社員は、次のように話してくれました。

「10年前からレガシィツーリングワゴンに乗っていて、300馬力の上級グレードを400万円ほどで買ったんですよ。そろそろ乗り替え時期かなぁとは思うんですけど、そもそもレガシィツーリングワゴンはなくなっていますし、代わりのレヴォーグは400万円だと177馬力の下位グレードしか選べないんですよね。

レヴォーグにも275馬力のグレードがあるのですが、それは500万円を優に超えてしまいますし、ちょっとどうしようかなと。もちろん先進装備は進化していますし、価格上昇分の価値はあるとは思うんですが、やっぱり10年前とのギャップに躊躇してしまいますね。

中古であれば2年~3年落ちのものが400万円前後で見つかるので、そっちにしてしまおうか……ただ中古にそれだけ払うのも釈然としない感じもあって、まぁやっぱり昔の基準ではどうしたって買えないんだなと痛感しています」(50代男性・製造業)

強力なエンジンパワーを魅力に感じているドライバーにとって、「10年前と同じ価格で収めると、100馬力以上も下がってしまう」という現実はかなり厳しいものだと考えられます。以前と同じ価格帯で同等の性能を手に入れるには、やはり中古車を選択肢に入れるほかないのかもしれません。

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優に200万円オーバーの軽自動車、いっそ普通車にする?

優に200万円オーバーの軽自動車、いっそ普通車にする?

「軽で250万円?ならコンパクト…え?300万?」買い替えで悲鳴!車が高すぎる問題…どう思う?
(画像=©khwanchai/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

車を購入するときは、あらかじめ予算をある程度決めておくのがスタンダードな選び方だと考えられます。しかし、以前の感覚で予算を考えていると、提示された見積もり額に驚いてしまうことも。40代の男性会社員は、次のように話します。

「初代のN-BOXが出て割とすぐに買いました。カスタムのターボグレードで、全部含めて180万円ちょっとだったと思います。それが12年前とかですね。

そろそろ古くなってきたので、買い替えることにしたのですが、似たような装備内容で見積もりを取ると230万円とか。当時でも『軽も高くなったなぁ』と思っていたのに、さすがにこれは厳しいなと。

カスタムじゃないノンターボのモデルであれば、当時買ったのと同じくらいの値段だったんですけど……でもわざわざターボのないモデルに乗り替えるのも、合理的ではない気がして。

結局、ソリオのガソリンモデルを200万円弱で買いました。なんとなく200万円以上払うなら、普通車(登録車)の方がいいかなって」(40代男性・IT関係)

近年では「軽に200万円」というケースが珍しくなくなり、人気のスーパーハイトワゴンタイプでターボを選択すると、オプション次第で250万円近くなることもあります。経済性を理由に軽自動車を選んでいたオーナーにとっては、かなり頭の痛い問題かもしれません。

ここまで見たように、生活を圧迫する物価高騰のあおりを受け、現状よりもコンパクトな車や中古車を選択肢に入れている人は少なくないと考えられます。

「コスパのいい買い方」が難しくなるなか、早々に物価高騰が収束してくれることを願わずにはいられません。一方で、「今より車が安くなる」という事態が想定しにくい以上、私たち消費者側が「車選びの基準」を変えざるをえない面もあるのでしょう。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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