フォルクスワーゲンが第9世代の新型パサートを日本で発売。ボディタイプはステーションワゴンに一本化。パワートレインには1.5L“eTSI”ガソリンエンジンの48Vマイルドハイブリッドと2.0L“TDI”ディーゼルエンジンの4MOTION、1.5L“eTSI”ガソリンエンジンのプラグインハイブリッドという計3機種を設定。プラグインハイブリッドはEV走行換算距離142kmを実現
フォルクスワーゲン ジャパンは2024年11月25日、全面改良してステーションワゴン専用モデルとなった新型パサートの販売を開始した。
車種展開および車両価格は以下の通り。
eTSI エレガンス ベーシック:524万8000円
eTSI エレガンス:553万円
eTSI Rライン:576万4000円
TDI 4MOTION エレガンス:622万4000円
TDI 4MOTION Rライン:645万8000円
eHybrid エレガンス:655万9000円
eHybrid Rライン:679万4000円
ステーションワゴン専用モデルに刷新した第9世代の新型パサートは、進化したMQB evoプラットフォームの採用により、ひとクラス上のセグメントに相当する4.9m級のボディサイズを確保して様々な用途やライフスタイルに対応する包容力を獲得。とくに50mm延長したホイールベース(2840mm)により後席乗員の居住性が向上し、多人数乗車でも快適に過ごせるゆとりあるボディサイズを実現する。また、荷室容量は後席使用時で690リットル、後席格納時で最大1920リットルという日本発売のステーションワゴンとして最大級の容量を確保した。ドイツ語で“貿易風”を意味するその名の通り、流れる風を感じさせるエクステリアに進化したこともトピック。より美しく伸びやかなフォルムを構築するとともに、空気抵抗係数は従来の0.31から0.25へと大幅に向上する。モダンなデザインのLEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”やLEDリアコンビネーションランプなど印象的なエレメントを随所に散りばめたアレンジも、新型パサートの訴求点だ。足もとには、Rライン系が19インチアルミホイール“Leeds”(ブラック)+235/40R19タイヤを、エレガンス系が18インチアルミホイール“Napoli”+235/45R18タイヤを、エレガンス ベーシックが17インチアルミホイール“Napoli”+215/55R17タイヤを装着。ボディカラーはオイスターシルバーメタリック、ダイアベースグレーメタリック、グラナディラブラックメタリック、マリポサイトグリーンメタリック、リーフブルーメタリック、チリレッドメタリック、オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト(有償オプションカラー)という計7色をラインアップした。
ソウルブラックの内装色でシックかつ上質にアレンジしたインテリアについては、ホイールベースの延長によるキャビン空間の拡大を果たしたうえで、先進テクノロジーを積極的に採用する。ドライブモードセレクターの導入によってセンターコンソールのシフトレバーは省かれ、すっきりとしたスペースを実現。デジタルテクノロジーも強化され、新世代のMIB4システムと15インチタッチスクリーンディスプレイを配したVolkswagen純正インフォテイメントシステム“Discover Pro Max”(eTSI エレガンス ベーシックはVolkswagen純正インフォテイメントシステム“Discover”)、IDAボイスアシスタント、デジタルメータークラスター“Digital Cockpit Pro”、ヘッドアップディスプレイなどを装備する。30色の中から好みのカラーを選ぶことができるアンビエントライトも組み込んだ。一方でシートについては、エレガンス系にマイクロフリースシートを、Rライン系に専用ファブリックシート(前席スポーツシート)を採用。レザーシートはオプションで用意する。また、前席にはベンチレーションおよびヒーター機構に加えてリラクゼーション機能を内蔵した。
パワートレインに関しては、48Vマイルドハイブリッドシステムを配した1497cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンインタークーラー付ターボエンジン(最高出力150ps/5000~6000rpm、最大トルク250Nm/1500~3500rpm)の“1.5 eTSI”と、最新世代“2.0TDI”の1968cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルインタークーラー付ターボエンジン(最高出力193ps/3500~4200rpm、最大トルク400Nm/1750~3250rpm)、そして1.5 eTSIをベースに高出力モーター(最高出力85kW/2500~4000rpm、最大トルク330Nm/0~2250rpm)と総電力量25.7kWh(EV 走行時最大使用容量19.7kWh)を確保したリチウムイオン電池を搭載してプラグインハイブリッドシステムを構成する“eHybrid”を設定。1.5 eTSIには4気筒のうち2気筒をより頻繁に停止して燃費性能を高める強化版のアクティブシリンダーマネジメント機構(ACT)や、回生ブレーキによって電力を蓄える48Vリチウムイオンバッテリーおよびオルタネーターとスターターの役割を果たす48V水冷式ベルトスタータージェネレーターを、2.0TDIにはSCRシステムを2つに増やすことで窒素酸化物(NOx)の排出量をさらに削減するツインドージングシステムを組み込み、またeHybridはWLTCモードで142kmのEV走行換算距離(等価EVレンジ)を実現する。トランスミッションは1.5 eTSIと2.0TDIに7速DSG、eHybridに6速DSGを組み合わせ、駆動機構は1.5 eTSIとeHybridがFF、2.0TDIが4WDの4MOTIONで仕立てた。
シャシー面については、アダプティブシャシーコントロール“DCC”を2バルブ独立制御式の“DCC Pro”へと進化させたことが訴求点。ダンパーの内部構造は伸び側/縮み側が独立したオイル回路となっており、それぞれ別々に減衰力をコントロールすることで、従来の機構では不可能だった複雑な制御を実現し、スポーツモードでは軽快なハンドリングを、コンフォートモードでは快適なフラットライドを成し遂げる。このDCC ProはeHybrid Rラインに標準で装備し、それ以外のグレードはオプションで選択可(eTSI エレガンス ベーシックは未設定)。eTSI RラインおよびTDI 4MOTION Rラインにはスポーツサスペンションを標準で組み込んでいる。
先進安全運転支援システムの進化を図った点も見逃せない。最新のアダプティブクルーズコントロール“ACC”(全車速追従機能付)や緊急時停車支援システム“Emergency Assist”、同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”、レーンチェンジアシストシステム“Side Assist Plus”などを全車に標準装備したほか、新たに搭載したメモリー機能によって駐車スペースの50m手前からの操作を記憶することができ、かつ最大5件までメモリー登録が可能な進化版の駐車支援システム“Park Assist Plus”やアラウンドビューカメラ“Area View”を採用している。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
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