サポート終了まで残り1年を切った「Windows 10」。2024年10月現在の最新バージョンはWindows 11です。しかし、Windows 11では右クリックの仕様が大きく変わるなど、Windows 10と比べて不便な点も散見されます。サポート終了が近づいたとはいえ、Windows 10をギリギリまで使い続けたい方もいるでしょう。
ところでWindowsの歴史を振り返ると、Windows 11の前はWindows 10。その前は「Windows 9」かと思えば、実は「8」です。なぜナンバリングとして「9」が飛ばされたのでしょうか?
Windowsのバージョンの歴史
Windowsの歴史は、初代「Windows 1.0」まで遡ると35年強にも及びます。そして国内に目を向けると、Windows 95をきっかけに爆発的なOSの普及が始まったといえるでしょう。その後のバージョンとしては、たとえばWindows XPやWindows 7は家庭向けPCでもビジネス向けPCでも長きにわたって使用されるケースが多かったOSの1つです。
なお主要なWindowsの各バージョンの発売年は以下の通りです。
・Windows XP:2001年
・Windows Vista:2006年
・Windows 7:2009年
・Windows 8:2012年
・Windows 10:2015年
・Windows 11:2021年
なぜ「Windows 9」は存在しない?
このようにWindowsの歴史を振り返ると、Windows 8の次に「Windows 10」が登場している点が特徴的です。一体なぜ、「Windows 9」はスキップされたのでしょうか。
アメリカンジョーク説
Windows 9が存在しない理由の一つとして、まずアメリカンジョーク説があります。
英語圏では『Q:Why was 6 afraid of 7? (なぜ6は7を怖がっているの?)』『A:Because 7 8 9(それは7が9を食べたから:7 ate 9)』というジョークがあります。なお「ate」は「eat」の過去形です。単純な言葉遊びではありますが「9は7に食べられる存在=9は7を上回ることができない」と捉えることもできます。
つまり縁起が良く無いため、9をスキップして「10」を出したというのが「アメリカンジョーク説」です。
「Windowsにとって最後の主要アップデート」と印象付けるため
ジョーク説ではない「有力な説」には、Windows 10を「Windowsにとって最後の主要アップデート」と印象付けるために、あえて9をスキップしたという見方があります。
Windows 10のリリース当初、MicrosoftはWindows 10を「Windows as a Service」と位置づけ、10以降は大規模なバージョンアップは行わず、継続的なセキュリティ更新と機能追加を行っていく方針を示しました。この方針を強調するために、9という中途半端な数字をスキップし、区切りの良い10という数字を選んだのではないかと考えられています。
もっとも2021年にはWindows 11が登場し、なおかつ2024年現在はCopilotを中心としたAI機能がWindowsに次々と組み込まれつつあります。「大規模なバージョンアップを行わない方針」は宙に浮いている感も強いのが現状でしょう。
Windows 8から大きく変化した「Windows 10」
先ほど「Windows as a Service」を「宙に浮いている感が強い」と称しましたが、それでもWindows 10はMicrosoftにとって意欲作のOSであったことは間違いないでしょう。
Windows 10は、Windows 8から様々な点で変化しました。たとえば起動・復帰時間の短さや、スタートメニューの表示方法など多くの点で改良が加わっています。関連し、Windows 10で利用できるMicrosoft製のブラウザにも変化が出ました。Microsoft Edgeの登場(2015年)と、それに伴うInternet Explorerのレガシーからの脱却です。
Edgeがリリースされる前、Microsoftの標準ブラウザだったのは「Internet Explorer」。CSSの解釈が他のブラウザとあまりにも違うといった点から、開発者らからの「嫌われブラウザ」として有名でした。
またMicrosoft側としても、Internet Explorerは技術的負債となっており、2011年頃には同社自身が「IE6」消滅に向けたカウントダウンサイトを公開し、IE6からの脱却をユーザーに呼びかけるほどでした。
2024年現在、Windows 10を利用している(※もしくは過去に利用していた)方にとっては、Microsoft EdgeはMicrosoft製ブラウザとしておなじみの存在でしょう。
・OSとしてのWindows 10の開発
・ブラウザとしてのMicrosoft Edgeの開発
をともに行い、2015年にようやくMicrosoftはInternet Explorerのレガシーから脱却できたといえるのかもしれません(※その後、Windowsのシステム内にInternet Exploerが残存し、それがゼロ税攻撃の対象になった事例はあり)。
なおデスクトップのみでは、Edgeのシェアは21.01%(2024年9月時点)。Chrome(65.6%)に次ぐシェアを獲得しており、Firefox(5.86%)を大きく上回っています。全盛期のInternet Explorerのシェアにこそ及ばないものの、Internet Explorerの技術負債を解消しつつ、デスクトップでの一定のシェアを獲得できた点で、Edgeが果たした役割は一定程度評価されるべきでしょう。
AI機能の充実が続く「Windows 11」
なお、Windows 10の後継として登場したWindows 11では、AIの活用がさらに進んでいます。たとえばAIアシスタントのCopilotが標準搭載され、音声操作や自然言語処理の精度が向上しています。
Windows 10でInternet Explorerに代表される技術負債をある程度まで解消した上で、AI機能の搭載に振り切っているのが現状のWindows。今後もAI技術の向上やより使いやすい機能の搭載などに注目が集まります。
※サムネイル画像(Image:rvlsoft / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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