■社内では「こんな奇抜で売れるか」という声も…
タイガー魔法瓶 担当者は、当時の様子を「1970~80年代はタイガー魔法瓶が、祖業の魔法瓶や保温水筒中心の商品展開から、保温ジャー、ジャー炊飯器、電気ポットなどの家電製品を手掛ける総合メーカーへと、進化を遂げた時代です」と、振り返る。
続けて、「70年代は花柄全盛時代であり、タイガー魔法瓶もテキスタイルデザインの第一人者・関留辰雄(せきどめたつお)先生による花柄デザインを1967年(昭和42年)からポットのボディにあしらい、1970年(昭和45年)発売の電気ジャー第1号『電気ジャー<炊きたて>EL型』にも、花柄を採用しました」と、説明してくれたのだ。
白地を基調にした「真っ赤なハイビスカスのデザイン」は、過去のどんな柄よりも目立ち、斬新なものだったという。社内でも「こんな奇抜な柄が売れるか」という否定的な意見があったそうだ。
しかしそのデザインは多くのユーザーのハートを射止め、担当者は「ハンディポットに採用したところ、爆発的な人気となりました」と、その人気ぶりを語っていた。