陰口、悪口は死んでも言わないほうがいい理由(ワケ)とは
(画像=書籍内の画像より引用、『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

普段から周りの人に嫌われていると、いざ問題が起きたときに誰も助けてくれなかったり、失敗の責任を押し付けられたりするなど、困ったことになります。

今回は、拙著『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)のなかから関連するエッセンスを紹介します。

上司に限らず、同じ組織の人間からは気に入られるほうが良いに決まっています。社内で嫌われる人間には、いくつかのパターンがあります。「ヘッドハンターが採用してきた優秀な中途採用者」「社内で戦力外になっている人物」などです。

そして彼らには総じて特徴があります。陰口や悪口の多い人です。陰口や悪口は聞いていて気持ちの良いものではありません。たとえ親しい間柄であっても、陰口や悪口は絶対に口にしてはいけないものなのです。

ところが多くの人は憂さを晴らすかのごとく、酒が入れば上司の陰口や悪口の大合唱になります。飲み会の席だったらいいだろうと、羽目をはずしてしまうわけです。優秀なビジネスパーソンは、陰口や悪口はいずれ自分に戻ってくることを知っています。

知人の経営者は、陰口や悪口を話す人とは絶対に付き合いません。そのような人が客で来たら、見送りの後に洗面所で手を洗い、火打石を鳴らし、まき塩をさせています。それは、ばい菌を消毒するかの如く徹底しているのです。

田中角栄元首相は「私がかつて、人の悪口をいった事があるか!誰か私が一度でも人の悪口をいったのを聞いたことがあるか!私は一度もない。男を磨くうえで、絶対的な信用をつけるうえで、欠くべからざることが人の悪口をいわないことだ」と述べています。

陰口や悪口を言ってしまう方は、「ダメな上司の批判をして何が悪いものか!」「自分たちの意見のほうが正論だ」という思いもあるでしょう。確かに、ダメ上司は存在します。しかし組織の中で一緒に仕事をする以上は、相手に敬意を払わなくてはいけません。

では、もしも回りの人間が酒宴の席で陰口、悪口大会を始めたら、どう対処すればいいのでしょうか。一番簡単なのは、聞き役に徹して否定も肯定もしないことです。

あるいは優秀なビジネスパーソンは、陰口や悪口で盛り上がっても聞き終わってから「でも部長には××のような良い面もあるよ」「先日、部長と一緒に行動したら○○みたいな感じだったよ」と矛先をかわすものです。

話をあわせてしまうと、自分も陰口や悪口をしている人と同じになってしまいます。こうした会話は、どれだけクローズドな仲間同士でも、どこかから伝わるリスクがあるものです。逆に言えば、その席でこんな風にポジティブな発言をすれば、それがどこかから当人に伝わる可能性もあるわけです。

尾藤克之 コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 ※12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。

文・尾藤克之

文・尾藤克之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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