政治
2024/12/02
経常収支って何?:海外とのフロー面の関係
図1が日本の経常収支です。
受取側がプラス、支払側がマイナスで表現しています。
まずボリュームが大きいのは、輸出(青)と輸入(赤)ですね。
どちらも概ね対称に近い形で推移していて、差引の貿易収支はほぼゼロとなります。
サービス収支(ピンク)や第二次所得収支(橙)は微小ですが、第一次所得収支(緑)は大きく増加していて、ほぼこの分だけ経常収支がプラスになっているような推移となっています。
貿易自体は拮抗していて相殺する一方で、海外からの財産所得である第一次所得収支が大きくプラス化しているという事になります。
- 第一次所得収支とは
続いて、日本の第一次所得収支について、詳細を見てみましょう。
日本銀行の「国際収支関連統計 項目別の計上方法」によれば、第一次所得収支は、次のような項目で構成されています。
表2 第一次所得収支の項目(国際収支関連統計 項目別の計上方法より引用)
項目 内容 雇用者報酬 企業と雇用関係にある個人が労働の対価として得た報酬を計上します。雇用関係がない場合は、自営の個人が提供するサービスとして該当するサービス項目に計上します。 投資収益 金融資産提供の対価である配当金や利子等を計上します。投資元本の区分に対応して、「直接投資収益」、「証券投資収益」および「その他投資収益」に区分します。 外貨準備から生じる収益は、元本の商品種類に応じて「証券投資収益」または「その他投資収益」に計上します。金融派生商品からは、投資収益は発生しません。 直接投資収益 直接投資の資産負債から生じる投資収益を計上します。 所得の源泉となった直接投資の形態により、「出資所得」と「利子所得」に区分し、さらに「出資所得」については「配当金・配分済支店収益」と「再投資収益」に区分します。 証券投資収益 配当金や債券利子のうち、「直接投資収益」に該当しないものを計上します。 その他投資収益 「直接投資収益」や「証券投資収益」に該当しない投資収益を計上します。 その他第一次所得 天然資源の賃貸料(鉱業権の使用料等)のほか、生産物・生産に課される税(石油・天然ガス等の採掘量・油価等に応じて課される税金等)や補助金を計上します。上記税の還付金は、負の値で計上します。 - 日本の第一次所得収支
日本の第一次所得収支について具体的な統計データを見てみましょう。
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