当方はこのコラム欄でパレスチナ自治区ガザを2007年以来実効支配しているイスラム過激テロ組織ハマスとパレスチナ人は同じではなく違うと主張してきた。

1200人以上のユダヤ人を虐殺したハマスの蛮行がパレスチナ住民の総意、同意を得るとは考えられないからだ。ハマスはイスラム過激テロ組織で、ヨルダン西岸やガザ区に住む普通のパレスチナ人はそのような蛮行を拒否すると考えているからだ(「『ハマス』と『パレスチナ人』は違う」2023年10月11日参考)。

ガザ区のパレスチナの子供たち(2023年12月12日、国連パレスチナ難民救済事業機関=UNRWA公式サイトから)

ところが、ヨルダン川西岸では、ハマスの10月7日テロ後、ハマスへの支持が3倍以上に増加し、ガザ地区でもそれほど多くはないが、支持は増加したという。「パレスチナ政策・調査研究センター」(PSR)が両地域のパレスチナ人を対象に実施した最新の調査結果から明らかになった。

PSR研究所は1月末の1週間の停戦期間中にガザ地区で調査を実施した。インタビューは、無作為に選択された121カ所で直接行われた。ガザ中南部では、ほとんどの参加者が自宅で面接を受け、一部の面接は難民保護区でも行われた。ガザ北部では保護地域で250件の聞き取りが行われた。

以下、ドイツ民間ニュース専門局ntvが13日のヴェブサイトに掲載した世論調査結果に関する記事を参考にまとめた。

調査結果を少し詳細に見る。ヨルダン川西岸地区で調査対象となった人の44%がハマスを支持した。3カ月前の支持率はわずか12%だった。これは、ヨルダン川西岸でテロ集団ハマス支持者が増加している一方、同地を支配するファタハが支持を失っていることを意味している。パレスチナ自治政府の政党ファタハを支持する人はわずか16%だった(9月時点では26%)。

ガザ地区では現在、政治的傾向はヨルダン川西岸よりも安定している。ガザではハマス支持率は42%で、3カ月前の38%からわずかに上昇した。この結果は、ガザの人々が2007年以来ハマスの管理下で暮らしてきたため、過去16年間にわたる自身の経験に基づいてハマスを評価している、という事実を反映している。