自動車に備えられるクラクションは、「警笛鳴らせ」の標識がある場所や、危険防止のためにやむを得ない状況を除き、むやみに鳴らしてはいけないものとされています。

しかしなかには、「相手を煽るため」「相手の間違いを自覚させるため」など誤った用途で鳴らしてしまっているドライバーもいるようです。

鳴らされる側としても、いきなり大音量を向けられては不愉快に感じるものでしょう。とくに「前が詰まっているのに鳴らされた」など、理不尽なクラクションには憤りを抱いてもおかしくはありません。

今回はドライバーの方々に、「ルールを守っているのにクラクションを鳴らされた経験」について話を聞きました。

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いやいや、そこに歩行者いるじゃん!

いやいや、そこに歩行者いるじゃん!

「クラクション鳴らすの大好き」なドライバーに遭遇…その“アタオカ”な無法者っぷりに呆れ
(画像=@hakase420/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

クラクションを鳴らすドライバーの心理として、まず考えられるのは「前の車が進めるのに進まない」といった状況に対する苛立ちでしょう。しかし車の位置関係によっては、「前の車から見えている歩行者などが後続車には見えていない」という状況もあるため注意が必要です。

「横断歩道にさしかかるあたりで、電柱の影に歩行者を見つけたので停止しようとしたら、後ろから思い切りクラクションを鳴らされたことがあります。

歩行者は私が減速するのを見て歩き出そうとしていたのに、クラクションで硬直してしまい、後ろの車はその隙に反対車線にはみ出しながら私を抜いていきました。

歩行者が見えていなかったとしても、前の車が横断歩道で止まろうとしていたら、普通は歩行者の存在を予測しますよね。ほんとにどういう神経してるんだろうなって」(40代女性)

信号機のない横断歩道では、道路を横断しようとする歩行者がいる場合には停止し、また歩行者がいるか定かでない場合にも速度を落として徐行しなければいけません。

警察などによる啓発活動の効果もあり、こうした横断歩道をめぐるルールは年々認知が進んでいるものの、依然として「止まらないのが当たり前」といった動きをしている車は多く見られます。

クラクションを鳴らす以前に、交通ルールを理解したうえで、実際の状況をしっかりと確認してほしいところですね。

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そもそもなんでソコ走ってるの?

そもそもなんでソコ走ってるの?

「クラクション鳴らすの大好き」なドライバーに遭遇…その“アタオカ”な無法者っぷりに呆れ
(画像=©beeboys/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

クラクションが鳴らされやすいケースとして、「車線変更」が挙げられます。速度が高い車が後ろから迫っている状況で、そちら側に車線を移そうとすれば、相手は「自分が走っているぞ」と思うことでしょう。

しかし一方で、鳴らす側の走り方がそもそもルールを逸脱してしまっているケースも少なくないようです。

「渋滞気味の高速道路で、サービスエリアに寄ろうと思い、入り口用の車線が始まるところで左にウインカーを出した瞬間、後ろからものすごい勢いでクラクションを鳴らされました。

まだ車線がないところから、黒い車が路肩をかなりのスピードで走ってきていたんです。たしかに私も左後方を確認してからウインカーを出すべきでしたが、思い切りルール違反をしておいて、よくそんな強気な態度に出られるなと思いましたね。

しかも、相手がいた場所から私が入ろうとしていたスペースまでは結構距離があったんですよ。結局相手が減速して、私が前に入る格好になって。

こっちも駐車場に入るまで『文句を言ってやろうか』と考えていましたが、駐車場ではその車が私よりも手前のラインで曲がっていったので、どこに行ったのかわからなくなってしまいました」(50代男性)

渋滞中の高速道路では、いち早くサービスエリアに入ろうと、かなり手前から路肩部分を走行してくる車を見かけることがあります。しかし路肩の走行は、道路交通法上で通行帯区分違反に該当する行為です。

路肩は非常用車両の通行や、事故時の退避スペースとしての用途があり、走行することで危険が生じる可能性もありますので、混雑回避のための通行は絶対に避けましょう。

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「出口」って看板が見えないの?

「出口」って看板が見えないの?

「クラクション鳴らすの大好き」なドライバーに遭遇…その“アタオカ”な無法者っぷりに呆れ
(画像=©Tum_stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

商業施設の駐車場では、進行方向などに関して施設側が独自にルールを定めていることがあります。しかしこのルールを認知していなかったり、あるいは意図的に無視したりしているドライバーも少なくないようです。

「出口と入り口がそれぞれ別になっている商業施設の駐車場で、私は普通に出口から道路に出ようとしていたのですが、そこから勢いよく左折して入ってきた車がいて、対面する格好になりクラクションを鳴らされました。

私は『出口だよ』と店の看板を指さすのですが、相手は『どけよ』というジェスチャーを繰り返してきて。相手はもう半分以上入ってきてしまっているので、今さらバックしても道路にいる車の迷惑になると思い、仕方なくこちらがバックすることに。

すれ違う際に窓を開けて『ここ出口だよ!』と叫びましたが、相手も『こっちが入ってんの見えてるだろ!』みたいに叫んでいて、たぶん自分の非を認識できていないままだったと思いますね」(40代男性)

こちらがルールに従っていても、相手がそれを認知していなければ、それをめぐるトラブルも生じやすくなると考えられます。これと似た状況は、一方通行の道路でも生じることがありそうですね。

今回紹介したケースに共通しているのは、「ルールを守っている車にクラクションを鳴らすドライバーは、そもそも交通ルールを把握できていない」という問題です。

クラクションを鳴らしている側は、おそらく「自分が正しい」と信じ込んでいると思われますが、その前提自体が間違っていては手のつけようがありません。自身が周囲に危険を生じさせる可能性や責任をしっかりと意識し、交通ルールの理解や道路状況の把握に努めたいところです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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