人類はスマホを開発し、コンピュータは持ち運ぶものになりました。

そしてAR/VR技術の発展、AR/VRグラスの登場により、どこでも仮想空間を楽しんだり、目の前にスクリーンを映し出せるようになりました。

では、次のステップは何でしょうか?

アメリカのカーネギーメロン大学(CMU)に所属するヴィマル・モリン氏ら研究チームは、「てのひら」をタッチスクリーンにするAR技術を開発しました。

近い将来、スマホのような操作デバイスすら必要のない時代が来るかもしれません。

研究の詳細は2024年10月11日付の科学誌『Proceedings of the 37th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology』に掲載されました。

目次

  • AR技術が踏む次のステップは?
  • 「てのひら」をタッチスクリーンにする新技術

AR技術が踏む次のステップは?

私たちはVR(仮想現実)ゴーグルによって仮想世界へ旅立つことができます。

そしてAR(拡張現実)ゴーグルを利用すれば、現実世界と仮想世界を融合させることも可能です。

現実世界である自分の部屋や道に、ゲームのキャラクターを登場させたり、他の人には見えないスクリーンを作り出して映画を楽しんだりできるのです。

最近では、軽量で普通のメガネと見た目がほとんど変わらない「ARグラス」も開発されています。

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AR技術の今後はどうなる? / Credit:Canva

いずれはメガネや軽いゴーグルをかけているだけで、誰かと電話したり、店の棚に並んでいる商品の詳細情報を表示させたり、映画を楽しんだりすることが当たり前の時代が来るはずです。

しかし課題もあります。

そのARグラスを操作するために「別のデバイスが必要になる」ということです。

もちろん音声入力は可能ですが、操作がすべて音声操作というのは現実的ではありません。また音声認識の精度、騒音による影響、プライバシーの問題、多言語・方言への対応不足など、ユニバーサルデザインを考える場合にも様々な限界があります。